今年のテーマはダーク?【京都湯上がりクラフトビール祭2024】レポート

2024年5月4日(土・祝)・5日(日)伏見力の湯(京都市)に隣接するフットサルコートにて、スーパー銭湯とクラフトビールを楽しむ「京都 湯上がりクラフトビール祭2024〜After Bath Craft Beer」が開催されました。
イベントには、地元の方やクラフトビールが好きな人々が訪れ、昼間は青空の下で上方講談師による各ブルワリーのエピソードを聞きながら、夕方からは今年のテーマである「ダーク」な雰囲気の中でクラフトビールを楽しみました。

京都 湯上がりクラフトビール祭とは?

「京都 湯上がりクラフトビール祭2024」は、湯上がりにクラフトビールを楽しむイベントで、昨年に引き続き2回目の開催となります。

主催は「株式会社メゾネット」。「伏見力の湯」などのスーパー銭湯をはじめ、スポーツ事業や農産物直売事業などを手掛けている会社です。
「地域に密着した活動がしたい。伏見力の湯を人と人がつながるコミュニケーションの場所にしたい」という専務取締役・長尾洸太朗さんの思いからスタートしたこのイベント。スーパー銭湯と一緒に楽しめるものに選んだのは、ご自身が興味があり、“湯上がり”に相性のいいクラフトビールでした。
昨年、第1回目が開催され大盛況、今年はさらにパワーアップした内容で2回目の開催となりました。

地元の人に愛される「伏見力の湯」

イベントの中心に鎮座するのは、近鉄竹田駅から徒歩5分の場所にある「伏見力の湯」。
能勢アートレイク温泉からタンクローリーで運ぶ天然温泉の他、露天風呂や岩盤浴、サウナ、あかすりが楽しめるスーパー銭湯です。
この日はゴールデンウイークということもあり、三世代で来られているご家族や学生グループなど幅広い世代の方が利用されていました。また、普段から「伏見力の湯」を利用されている方がイベントのことを知らずに来場し、帰りにクラフトビールを楽しむ光景も多く見られました。

「伏見力の湯」には、農業物産直売所とフットサルコートなどが隣接しており、「じねんと市場(農産物直売所)」では、地元で栽培した野菜や果物の他、クラフトビールの瓶・缶ビール、本イベント開催を記念して醸造された「オリジナルクラフトビール」も販売されていました。
フットサルコート内にてクラフトビール&フードが販売されており、昼間は夏を思わせるような爽やかな天気の中、芝生の上でクラフトビールを楽しみました。

北は秋田県、南は鹿児島県から7つのブリュワリーが初出店

「上方ビール(大阪市)」の代表・志方昴司さん(中央)とイベントスタッフのお二人。今イベント2度目の出店となる上方ビールは、銭湯跡でビール醸造をされているブリュワリー。以前に上方ビールについて書かせていただいた記事はこちら。
地元·京都市伏見区にあるブリュワリー「家守酒造」も前回に引き続き2度目の出店。

イベントには、京都府内外から22のブリュワリーと12のフード販売店が出店。
今回は北は秋田県、南は鹿児島県などから7つのブリュワリーが初出店されていました。
主催メンバーである鍋田さんによると、“湯上がり”にちなんで、全国にある温泉地や銭湯に関連するブリュワリーに出店してもらえたらという構想もあったようですが、あまりこだわり過ぎずに「この場所を中心に”繋がり”を大切にしていけたら」ということで出店ブリュワリーを決められているそうです。

HOP DOG BREWING(秋田県秋田市)

HOP DOG BREWINGの代表であり、醸造責任者の長谷川信さん。

初出店の「HOP DOG BREWING
85年の営業を終えた銭湯「星の湯」をリノベーションしてできた醸造所で、2023年にビール醸造を開始した新しいブリュワリーです。
初出店のきっかけについて、HOP DOG BREWINGの代表であり、醸造責任者である長谷川信さんにお話を伺うと、
「秋田県から関西のビールフェスに参加するのはハードルが高いですが、HOP DOG BREWINGが他のブリュワリーと違うのは、銭湯跡でビール造りをしていること。“湯上がり”繋がりで出店できるのでは?と考え、イベントSNSにコメントしたところ、出店に繋がりました。今後も機会があれば関西のビールイベントに出店していきたい」と生き生きとした表情でこたえてくださいました。
HOP DOG BREWINGでは、現在月1回「ブルワリー開放デー」を開催、醸造所の試飲スペースで、できたてのクラフトビールとクラフトサイダーを試飲(有料)することができるそうです。ぜひ、銭湯をリノベーションした醸造所を見ながらビールを飲んでみたいですね。
詳しくは、HOP DOG BREWINGでご確認ください。

LET IT BEER(鹿児島県鹿屋市)

各ブリュワリーのエピソードをおもしろおかしく披露する講談師の旭堂南歩さん (左)LET IT BEER合同会社CEOの山内政洋さん(右)

初出店のLET IT BEER」は、鹿児島県大隅半島のほぼ中心にある鹿屋(かのや)市にあるブリュワリーです。
田沢湖ビール(秋田県仙北市)のヴァイツェンに感銘を受けたLET IT BEERのCEO山内政洋さんが、焼酎文化が根付く土地柄でもある中、2015年に仲間とビアパブをオープン、クラフトビールを普及しながら2020年にビール醸造を開始しました。
山内さんが目指すビールは、「大隅の乾杯ビール」。

ロックンロールIPA。LET IT BEERのビールラインアップの中ではアロマホップを多く使用しているので豊潤でフルーティー、後味に苦みも感じられるバランスの良いIPA。

「鹿児島県には美味しい食材がたくさんあります。自分たちが造りたいのは、鹿児島の食材を活かした食事に合うビール。ロックンロールIPAは、IPA好きの方からしたら少し物足りないかもしれませんが、食事とケンカせず一緒に楽しめるギリギリのところを狙って造っています。他のビールも同じ視点で造っているので、ぜひ乾杯ビールとして食事と一緒に楽しんでほしい」と山内さん。

2015年にオープンしたビアパブ「whack a mole」は、現在できたてのビールと一緒に食事を楽しめるブリューパブとなっています。
今回は、「ロックンロールIPA」をいただきましたが、大隅半島産の新鮮なイチゴを贅沢に使用した「ショートケーキヴァイツェン」や、鹿屋産の桑の実と小麦を使用した「桑の実エール」など地元食材を使用したビールも造られていますので、ぜひECサイトでチェックしてみてください。

DD4D BREWING(愛媛県松山市)

株式会社JAPANDEMIC COMPANYのセールスマネージャー盛満玲さん(左)とスタッフのお二人。

初出店の「DD4D BREWING」は、愛媛県松山市のブリュワリーです。
1998年からアパレルショップをされていた店内で、2019年にビール醸造を開始、現在も洋服が販売されている奥でできたてのクラフトビールをいただくことができるユニークなブリュワリーです。

17時からのダークタイムに登場したビール「Peanut Butter Cup Cake(ピーナッツバターカップケーキ)」ピーナッツバターの甘い香りがするスタウト。

愛媛県松山市というと、有名なのが「道後温泉」。
まさに“湯上がり”繋がりでの出店では?とDD4D BREWINGの盛満玲さんにお話をお伺いすると、
「イベント側から“湯上がり”繋がりで出店のオファーをいただきました。四国・愛媛県を本拠地に活動していますが、あまり地域にこだわらずにオファーがあれば可能な限り出店して、DD4Dのビールを楽しんでもらいたい思っています!」と話してくださいました。

17時以降は今年のテーマ「ダーク」な時間

夕方以降は、京都大学のDJサークルが会場を盛り上げた。

青空のもとで“湯上がり”ビールを楽しんでいた会場が、17時から今年のテーマである「ダーク」な時間に。
各ブリュワリーがテーマに合わせた色の濃いビールやハイアルコールビールの提供を開始し、BGMも京都大学のDJサークルによるものに変化、会場のボルテージがさらに上がっていました。お昼から参加されていた方も、夕方からはまた違ったビールと雰囲気を楽しむことができたのではないでしょうか。

17時以降に提供された上方ビールの「ととのえーるわさび」。わさび好きにはたまらないわさびが香るスパイシーなビール。

次回は「京都おふろや夜市」

今回は“湯上がり”にクラフトビールを楽しむイベントでしたが、「伏見力の湯」では、引き続き様々なイベントが企画されています。
7月19日(金)・20(土)・21日(日)には、駐車場に台湾夜市が出現し、台湾グルメや台湾雑貨、夜空にランタンを飛ばして幻想的な時間を楽しむ「京都おふろや夜市」が開催されます。
スーパー銭湯で汗を流したあと、台湾デザートを食べながら夕涼みなんて最高ですね!

夏に向けて関西でもクラフトビールイベントが続々開催!

ビールがさらに美味しくなる季節に向けて、関西でもクラフトビールイベントが続々と予定されています。
京都でもなにやら楽しく美味しそうなイベントが予定されているとか!?
暑い日が続きますが、水分をしっかり補給取しながら体調を万全にして、今年の夏もたくさんビールを楽しみましょう。
またレポートしますね!

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