ご飯やベッドの準備なんでもさせていただきます…飼い主がひれふす猫さまのお礼とは

甘えん坊で家族が大好きな猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.236
猫さまの話をもっと聞かせて!
エクレアさまは1歳半の男性猫さま。




<エクレアさまが語ります>
僕たちはパリ17区にあるアパルトマンに住んでいます。目覚まし時計が鳴る30分前ぐらいに、まずは飼い主を起こします。そのあとはサロンで飼い主の膝の上に乗り、お気に入りの毛布をフミフミします。みんなが仕事や学校に行って家にいない時は寂しいので、甘えん坊になりたい朝のフミフミは大事な日課です。



朝ごはんは6時ぐらいに食べ、そのあとは家の中をたくさん走り回ったり、遊んだりして、満足感を味わったらお気に入りの場所(サロンのソファか子ども部屋にあるハンモック)から外の景色を眺めます。



時々、鳩を見ては「カカカッ」と鳴きます。食事は朝はカリカリ、夜はカリカリとウェットフードを少々。寝る前に大好きな『ちゅ~る』をいただきます。時々サーモンが登場しますが、これは特別ですね。



昼間は寝室にある専用のベッドで寝ます。夕方はここの家の子ども(長女8歳、次女5歳)たちが学校から帰ってくると一緒に遊び、19時ぐらいに夜ご飯を食べます。そして、夜は飼い主と一緒に寝ます。


<飼い主から見たエクレアさま>
私の父は大のネズミ嫌いで、その退治を兼ねて白黒の雄猫を飼い始めたことをきっかけに、幼少期はいつも猫が家にいました。
エクレアとの出会いは『Solana』という里親を探す協会が毎月開催しているイベントに行ったことです。長女が悩みに悩んで、当時3か月だった柔らかい雰囲気のエクレアに惹かれて選びました。



いちばん記憶に残っている思い出は、家に迎え入れてすぐ、猫風邪にかかったことです。獣医さんから処方された薬と目薬を毎日与えなければならず、特に目薬が大変でした。毎回つかまえて毛布にくるんで、目に2種類の目薬をさしていました。知らない家に恐い目薬のおばちゃん、これでは嫌われると心配していましたが、エクレアはそんなことは気にせず、終わった後は毎回私の膝の上でぐるぐる喉を鳴らしていました。



おやつはいつも準備していて『ちゅ~る』とフリーズドライしてある鶏肉をあげています。外の景色が見えるので、エクレアはサロンのソファとハンモックが大好きです。おもちゃはその時のブームがあって、今は小さな青いネズミにはまっています。



性格は怖がりだけど甘えん坊でとっても優しいです。ご飯をあげたり、トイレ掃除をするといつも身体をすり寄せてありがとうと言ってくれます。そしてどんなにちょっかいを出しても絶対に怒りません。他の猫に対しても、最初は怯えて少ししっぽが膨らみますが、攻撃はしません。特技はいろんなものを開けられること。ドアや家のあらゆる引き出しを開けます。



また、相当なかまってちゃんです。在宅勤務の時は必ずパソコンの前で邪魔をしたり、キーボードの上に座ってきます。家族がいるところが好きなので、お風呂場でもトイレでも、必ずやってきます。私と似ているところは真面目そうに見えるけど、実はひょうきんものなところです(笑)!



エクレアからはいつも安らぎを与えてもらっています。私は心配性でくよくよしてしまうところがあるのですが、エクレアが遊んでいるところや寝顔を見ると悩みがふっとびます! エクレアは私にとって自慢の息子なのです。


ーーエクレアさまの表情を見るだけで、温厚な優しさが感じられます。この家の娘さんが悩んでエクレアさまを選んだのも、小さくてもすでにこの性格を身体で表していたからなのでしょう。昼間のお留守番は寂しいでしょうが、家族が帰宅して思いっきり甘える姿を見ると、エクレアさまもこの家の人々も幸せですね。


著者情報
松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!

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