地元資源の活用で新たな観光の穴場に 中国吉林省延吉市

地元資源の活用で新たな観光の穴場に 中国吉林省延吉市

23日、朝鮮族の伝統衣装を着て中国朝鮮族民俗園を散策する観光客。(延吉=新華社配信)

 【新華社長春5月25日】中国東北部の吉林省延辺朝鮮族自治州は少数民族、朝鮮族による国内唯一の自治州で、州都の延吉(えんきつ)市は人口約70万人。北京や上海などの大都市や有名な観光地に比べ、人混みを避けられる穴場の観光地として人気を集めている。

 朝鮮族の伝統衣装を着て記念撮影ができる「朝鮮族の一日王女」体験が人気の観光地、中国朝鮮族民俗園には多い時で1日に3万人以上が訪れる。インターネットの交流サイト(SNS)上では「一日王女」姿の写真が多数投稿され、話題を呼んでいる。

 コーヒー文化が根付く街としても知られ、市内にはカフェが千店以上ある。朝鮮族文化をコンセプトとするカフェでは、高麗ニンジンを蒸して乾燥させた「紅参(コウジン)」 入りのコーヒーや冷凍ナシを入れたアイスコーヒーなどさまざまな種類が楽しめ、多い日で1日に千杯以上を売り上げるという。

地元資源の活用で新たな観光の穴場に 中国吉林省延吉市

「中国観光デー」に当たる19日、吉林省延辺朝鮮族自治州で開催された祝賀イベント。(延吉=新華社配信)

 複数の旅行サイトによると、中国では今年の労働節(メーデー)連休期間(1~5日)、北京や上海のような大都市や天津、大連、杭州などの主要な地方都市より、延吉のような小さな町や農村を旅行先として選ぶ人が多かった。最近は特に人混みを避けてゆったりとした時間を過ごす「反向游(逆張り旅行)」や「松弛游(リラックス旅行)」と呼ばれる旅の人気が高い。

 同自治州にはドライブ好きの間で「最も美しい国道」の一つと呼ばれる国道311号線がある。沿線に広がる大自然や民俗色豊かな村を観光の目玉とする計画が進められていることもあり、労働節連休中の国内観光客は前年同期比2.5倍の210万7200人、観光収入は3.8倍の18億8100万元(1元=約22円)に上った。(記者/邵美琦)

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24日、客に製品を説明する延吉市のカフェ店主。(延吉=新華社配信)

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