G7声明、中国名指し批判 過剰生産に懸念、対抗姿勢

25日、イタリア北部ストレーザ近郊で記者会見する鈴木財務相(右)と日銀の植田総裁(共同)

 【ストレーザ共同】イタリア北部ストレーザで開かれた日米欧の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は25日午後(日本時間25日夜)、閉幕した。採択した共同声明は中国企業の過剰生産への懸念を表明。世界経済に悪影響を与えると中国を名指しで批判し、対抗姿勢を鮮明にした。制裁のために凍結したロシアの資産をウクライナ支援に活用する方法について協議を継続することで合意した。

 外国為替市場の過度な変動が経済の安定に悪影響を与えるとした過去の合意を再確認した。一致しやすい課題でG7の結束を示したが、中国とロシアの反発は必至だ。

 鈴木俊一財務相と植田和男日銀総裁が出席。鈴木氏は記者会見で、G7が「公平な競争条件の確保は重要だとの認識で一致した」と強調した。

 欧米各国は、中国政府から巨額の補助金を受けた中国企業が大量生産した電気自動車(EV)などを安い価格で輸出し、自国産業が脅かされていると批判。米国はEVなど中国製品への制裁関税を強化する方針を示している。

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