「Roasted Oyasumi…」なんだか眠たくなりそうなパティスリーが、X(旧Twitter)上で話題になっています。
きっかけは、Xユーザーのやこさん(@yacosuke )が4月28日に、パティスリー「 RAU 」(京都市下京区)のメニュー表の写真を投稿したことでした。メニュー表に記された商品名の上には、「Oyasumi…」と印字された紙が貼られています。
「SOLD OUT」や「品切れ中」という表記が一般的な中で、なんだかほっこりする「Oyasumi…」という言葉選びをした経緯を運営会社に聞いてみました。
投稿者「寝かしつけられてる気分になった」
やこさんが投稿したメニュー表の写真では、「Aroma Chocolate」や「Botanical Vanilla」といったオシャレでおいしそうなスイーツ名が並んでいます。
そこでひときわ目を引くのが「Oyasumi…」という言葉。2つのスイーツの上にそれぞれ「Oyasumi…」と印字された紙が貼られており、「Roasted Oyasumi…」「Makrud Oyasumi…」と読めます。なんだか注文の途中で寝てしまったみたいで、かわいいですね。
投稿したやこさんは、「カフェに入ったら、品切れ中のメニューの表し方が独特で寝かしつけられてる気分になった」とつづっています。
今回の投稿には約2.1万件の「いいね」が寄せられるなど、たくさんの反響が集まりました。
「RAU」は、複合型商業施設「GOOD NATURE STATION 」のオリジナルスイーツブランド&パティスリー。やこさんが投稿したメニュー表は、「RAU」のスイーツを楽しめるカフェスペース「RAU Patisserie」のものです。
「Oyasumi…」という品切れ表示を採用した経緯について、BuzzFeed編集部は同施設を運営する株式会社ビオスタイルに話を聞きました。
おやすみから戻ってくる時を待ってもらえるように
ーー「Oyasumi…」というユニークな品切れ表記になった経緯を教えてください。
「RAUでは、販売期間が限られていて店頭販売していない商品も、イミテーションのケーキ(当店ではケーキをデセールと呼んでいます)を用いてショーケースに陳列しています」
「お客様が漠然と『そろそろ苺のシーズンだな』と期待してくださるだけではなく、『RAUのあの商品の季節だな』とワクワクして待っていただきたい、という思いからです」
ーー販売していない商品も陳列されているんですね。
「一年中お客さまの目に留まるよう陳列し、おやすみから戻ってくる時を、いつの季節に来ても待ちわびてもらえるようにしています」
「ただ商品が売り切れているという感覚ではなく、一年中お客様の心の中にありますように、という気持ちを(「Oyasumi…」という表記に)込めました」
RAUで唯一無二の体験を
ーーほかにこだわっているポイントはありますか?
「RAUでは『情景を形状に』というコンセプトのもと、デセールの形の独自性だけでなく、その中にシェフの感性から生まれるストーリーや意味を込めた作品を作っています」
「ですので、見た目で楽しんでいただき、さらにその味わいや作品から生まれたストーリーなども一緒に楽しんでいただくことで、唯一無二の体験をしていただくことができるお店となっています」
ーー「Oyasumi…」という表記がSNS上で反響を集めていることはご存知でしたか?
「作品の見た目が特徴的なのでSNSなどで度々取り上げていただくことはあったのですが、まさかOyasumiに着目してもらえるとは思っていなかったので、予想の斜め上だった、という感想です」
「そういった遊び心が作品やブランド全体にあふれておりますので、お客様の心に残る商品を作りたいというブランドの根底につながるような体験をお客様に与えられたでは、と思います」
「新しい発見と心に残る体験を」
担当者いわく、「RAU」は「スイーツの新しい発見と心に残る体験をしていただける」スイーツブランド&パティスリー。
おやすみから戻ってくるのを楽しみにしてほしいというという「RAU」の思いを知った上だと、「Oyasumi…」という表記の見え方も変わってきますね。