[オフィスの窓から]受託製造で自社も成長 仲本和美

 委託を受けて他社ブランドの製品を製造することをOEMと言います。仲松ミートは長年、半総菜品の受託が主流でした。新たに高温加熱殺菌の設備を導入して瓶詰め品、レトルト加工も手がけるようになり、小規模のOEM受注を始めています。

 実はコロナの時期には新たな販路を模索する沖縄そば店、レストランなどからネット販売用の商品の加工相談があり、常温保存のレトルト加工品の開発に携わることになりました。店内で提供する商品とレトルト加工された商品の味をどう近づけるか、実際に依頼者の調理の現場で確認しながら製造工程を決めていきます。納得いくまで試作を重ね苦労もありますが、何よりも新しいことに挑戦できることは幸せです。

 最近は農家さんから直接のお問い合わせも頂いています。初めてのことで心配もありましたが、レシピがない状況から想像する品を形にしていくことに時間がかかるので、しっかり情報収集します。

 提供されるメニューからの加工よりゼロからのスタートはハードルが数段上がりますが、丹精込めた作物が付加価値を付けて市場デビューできる手助けになればとてもうれしいです。

 さらに規格外品の有効活用もできることはメリット大ですね。新商品が出来上がるまでには、多くの時間をかけていることは理解いただきたいところです。さらに消費者に届くまでに菌検査、食品表示のチェック、価格設定など過程を経ておいしいものを提供できればと思います。

 新たなチャレンジで、沖縄特産品になるような商品を作ることが今後の目標です。お伝えしたいOEMのメリットは(1)特定の分野に特化した専門的な知識や技術を活用することで他社のブランドの製品を高品質で効率的に製造できる(2)顧客のニーズに合わせて製品をカスタマイズする柔軟性がある(3)大規模な生産ラインを使用しないのでコストを抑え効率的に製造できる(4)新規市場への参入機会を得ることができ成長戦略として有効-の4点です。

(仲松ミート執行役員)

次回は福島知加氏(ワダチラボ社長)です。

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