レヴァークーゼン、DFBポカールを制し国内2冠! 前半の“ジャカ砲”が決勝弾

DFBポカール・決勝が25日に行われ、カイザースラウテルンとレヴァークーゼンが対戦した。

カイザースラウテルンは、1990年代にブンデスリーガで2度の優勝経験を持つ古豪。だが、21世紀に入ると1部と2部を行き来するようになり、2011-12シーズンを最後に1部の舞台には戻れていない。その後は3部降格も経験しながら、今季は2部で残留争いに身を置く。最終的には11勝6分17敗の勝ち点「39」で13位となり、降格は免れていた。

リーグ戦では苦しいシーズンとなった一方、DFBポカールでは躍進を遂げている。1回戦で5部相当のロート・ヴァイス・コブレンツを5-0で破ると、続く2回戦では1部のケルンを3-2で撃破。ラウンド16では奥抜侃志、林大地ともに先発出場したニュルンベルクを2-0で、準々決勝ではヘルタ・ベルリンを3-1で下し、2部同士の対決を制すと、準決勝では快進撃を見せていた3部のザールブリュッケンに2-0で勝利し、2002-03シーズン以来21年ぶりとなるファイナル行きの切符を手にした。チームが“黄金期”にあった1995-96シーズン以来、28年ぶりの優勝を狙う。

一方、レヴァークーゼンは言わずもがな今季の欧州サッカーで最大の注目を浴びた存在。シャビ・アロンソ監督に率いられたチームは、ブンデスリーガで開幕から首位を独走すると、ドイツの”絶対王者”であるバイエルンの12連覇を阻み、クラブ創設120年目にして史上初の優勝を達成。それだけでなく、ブンデスリーガ史上初の無敗優勝も成し遂げた。

その強さはDFBポカールでも変わらず、1回戦で4部相当のオッテンセン1905を8-0で粉砕すると、2回戦では3部のザントハウゼンを5-2で、ラウンド16では2部のパーダーボルンを3-1で破り、力の差を見せつける。準々決勝では、今季のブンデスリーガを2位で終えることとなる、伊藤洋輝所属のシュトゥットガルトと激闘を演じながら、後半アディショナルタイムの得点で3-2と逆転勝利。準決勝では田中碧、内野貴史、アペルカンプ真大所属の2部デュッセルドルフに4-0と大勝し、4年ぶりに決勝へ進出。1992-93シーズン以来、31年ぶりの優勝は目前となった。

また、今季の公式戦では51試合無敗を維持していたものの、22日に行われたヨーロッパリーグ(EL)決勝ではアタランタに0-3と完敗を喫し、今季初黒星を喫した。国内2冠を成し遂げてシーズンを終えるためにも、負けられないファイナルだ。

試合は序盤の17分に動く。レヴァークーゼンは最前線でパトリック・シックが粘りを見せたところから、こぼれ球に反応したフロリアン・ヴィルツが突破を試みる。ここは相手に阻まれたものの、セカンドボールに反応したグラニト・ジャカが左足一閃。ペナルティエリア手前から放たれたミドルシュートがゴールに吸い込まれ、レヴァークーゼンが先手を取った。

その後もレヴァークーゼンがボールを握りながら敵陣へ押し込む時間が続いたものの、追加点は生まれずに前半も終盤に差し掛かる。すると44分、ピッチ中央付近で生まれたルーズボールを巡ってオディロン・コスヌが足を出すと、スパイクの裏がボリス・トミヤクの足に入る。主審は2枚目のイエローカードを提示し、コスヌは退場処分に。レヴァークーゼンは残り時間を数的不利で戦うこととなった。

このまま前半は終了し、レヴァークーゼンの1点リードで後半へ折り返すと、1人多いカイザースラウテルンも悪くないシーンを増やす。63分にはラフナール・アヘが強烈なミドルシュートを放つも、ここはGKルーカス・フラデツキーのビッグセーブに阻まれた。

その後は徐々にカイザースラウテルンの勢いが落ち、レヴァークーゼンが主導権を握って時計の針を進める。ジェレミー・フリンポンが持ち前のスピードを活かしてボックス内へ侵入し、ゴールを脅かす場面を作るも、待望の追加点は奪えない。終盤には選手交代によってカイザースラウテルンが最後のパワーを振り絞ったが、最後まで失点は許さず、試合はこのままタイムアップを迎えた。

この結果、レヴァークーゼンが31シーズンぶりのDFBポカール優勝を成し遂げた。今季は公式戦53試合を戦ったが、最終的には43勝9分1敗という驚異的な成績でシーズンを終えることとなった。

【スコア】
カイザースラウテルン 0-1 レヴァークーゼン

【得点者】
0-1 17分 グラニト・ジャカ(レヴァークーゼン)

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