シリーズ常連だったのに…『ガンダム』作品であまりに“あっけない最期”を迎えたキャラ3選

『機動戦士ガンダム』DVD-BOX1(バンダイビジュアル)

人気の『ガンダム』シリーズ。戦争をテーマにした作品である以上、名誉の戦死を迎えるキャラも多い。そして、そこには非常にドラマチックな展開で“すばらしい最期”が用意されたキャラがいる一方、"あっけない最期"を迎えたキャラもいる。今回は、そんなあまりに"あっけない最期"を迎えてしまった不遇のキャラ3選を紹介していく。

■ラスボスになれなかった男『機動戦士Vガンダム』クロノクル・アシャー

まず1人目に紹介するのは『機動戦士Vガンダム』からクロノクル・アシャーを紹介しよう。

クロノクルは、アニメ第1話から主人公ウッソ・エヴィンのライバル的存在として登場した、ザンスカール帝国の軍人だ。

「ザンスカール戦争」が舞台となっている本作は、民間レジスタンス組織“リガ・ミリティア”をウッソの視点で、ザンスカール帝国はクロノクルの視点から描かれることが多かった。この相容れない2人は、作中で何度も激しいバトルを繰り広げている。

そして最終話「天使たちの昇天」最終決戦で、クロノクルはリグ・コンティオに乗り、ウッソのV2ガンダムの前に立ちふさがる。しかし、あえなく撃墜されエンジェル・ハイロゥの外壁を転げ落ち、その途中で後頭部を強打。「ゴボッ」という生々しい衝撃音の直後にCMに入り、その後は死亡扱いとなった。

主人公のライバルとしては、非常にあっけない最期だったクロノクル。それもそのはず、物語が進むにつれ、その座をパートナーであるカテジナ・ルースに奪われていたのだ。

クロノクルが死亡したのち、ウッソとラストバトルを繰り広げたカテジナ。本作のラスボスとなった彼女は、その後“ガンダムシリーズ三大悪女”とまで言われるほどのキャラとなった。

■あの有名アーティストが演じたキャラも…『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』ハイネ・ヴェステンフルス

あっけなさで言うと『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のハイネ・ヴェステンフルスも引けを取らないだろう。

ハイネは、アスラン・ザラと同じザフトのトップエリートのみが持つ“FAITH”の称号を得ているキャラとして、鳴り物入りで登場したエースパイロットだった。また、キャラクターボイスをT.M.Revolutionの西川貴教さんが担当したことでも有名だ。

アニメ第23話「戦火の蔭」、ハイネのミネルバ隊初陣となった“ダーダネルス海峡の戦い”。専用カラーオレンジのグフイグナイテッドで出陣したハイネは、ファントムペインのガンダムたちと交戦する。一時は「ザクとは違うんだよ、ザクとは!」と、ステラ・ルーシェのガイアガンダムを圧倒する姿も見せていた。

しかし、この戦闘に介入してきたキラ・ヤマトのフリーダムガンダムに、あっさりグフイグナイテッドの右腕を切り落とされてしまう。そして不運なことに、フリーダムを攻撃しようと突っ込んできたガイアガンダムの軌道上に入ってしまい、ステラに「邪魔だー!」と叫ばれながらビームブレイドで両断され爆死……。“FAITH”のエリートらしからぬ、事故的な最期を迎えてしまった。

■ガンダムマイスターも油断禁物!『機動戦士ガンダム00』ミハエル・トリニティ

最後は、『機動戦士ガンダム00』に登場するミハエル・トリニティだ。先に紹介したクロノクルとハイネはあっけない最期ではあったが、少なくともパイロットとしてモビルスーツに乗り戦闘で死亡していた。しかし、ミハエルはそれすら叶っていない。

ミハエルは、ソレスタルビーイングのセカンドチーム・“チームトリニティ”のガンダムマイスターである。搭乗するガンダムスローネツヴァイの性能もあり、作中での戦闘力は圧倒的であった。

三カ国の“合同軍事演習”では、人革連軍の猛攻を受けていたプトレマイオスチームを助けるべく、アレルヤ・ハプティズムのガンダムキュリオスを救出。その後、目的が異なるプトレマイオスチームとは決別し、主人公である刹那・F・セイエイとも戦いを繰り広げることになった。

アニメ第22話「トランザム」にて。国連軍の激しい追撃を受けていたトリニティ兄妹は、逃れる途中でアリー・アル・サーシェスから協力を持ちかけられる。

そしてお互いがモビルスーツから降りて話しているなか、サーシェスが不意打ちで銃撃を仕掛けてきて、ミハエルは見事に胸を撃ち抜かれあっけなく死亡してしまうのだ。しかもその直後、愛機のスローネツヴァイも奪われてしまっていた。

ガンダムマイスターとはいえガンダムから降りてしまえば、百戦錬磨の傭兵の前ではただの少年だったのかもしれない。

ちなみに、兄のヨハン・トリニティもガンダムスローネアインに乗り弟の敵を撃とうとするが、サーシェスに返り討ちに遭い死亡。妹のネーナ・トリニティは、2期まで生き残るが終始復讐心に囚われ、結局は哀れな最期を迎えてしまっていた。

今回は『ガンダム』シリーズであまりに“あっけない最期”を迎えたキャラ3選を紹介してきた。主人公のライバルに、パーソナルカラーを与えられたエースパイロット、さらにはガンダムマイスターと、いずれもなかなか際立ったキャラで作中では活躍も見せていた。

しかし、それとは裏腹に彼らの最期は非常にあっけないもので、やはり少し不憫に感じてしまう。『ガンダム』シリーズには、まだまだ不遇の最期を迎えたキャラは多く、機会があればまた紹介したい。

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