“新旧女王”と学びのラウンドが実現した大須賀望 38位に後退も…収穫は大

大須賀望がこの日ラウンドしたのは大御所と現女王(撮影:藤井孝太郎)

<リゾートトラスト レディス 3日目◇25日◇関西ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>

今季からレギュラーツアーに本格参戦しているプロ2年目の大須賀望の夢が一つ実現した。予選ラウンドをトータル3アンダー・23位タイで、3月の「ヤマハレディース葛城」以来、2度目の予選通過を果たした第3ラウンドは「一緒に回ってみたい」と話していた同い年の山下美夢有との初の同組が実現。「ギャラリーさんが多くて、最初は緊張したけど、一緒に回ることができてよかった。すごく楽しかったです」とうれしそうに話した。

プロテストに合格前の2021年には男子ゴルフのレジェンド、中嶋常幸が主宰する合宿に2人で参加した経験もある。その年の4月に山下はツアー初優勝を果たし、大須賀は翌年11月のプロテストに4度目の挑戦で合格した。2年連続の年間女王に成長した中学時代からの仲間との競演は、「きょうの美夢有は調子が今一つみたいだったけど、アプローチはうまかったし、攻め方とかがすごく勉強になった」と女王のゴルフを¨特等席¨から学ぶ貴重な時間ともなった。

身長は大須賀がツアープロでは史上最も低い146センチで、山下は歴代女王のなかでは最も低い150センチ。「小さな巨人になる」を目標に掲げている大須賀にとって、山下は「身近にいるすごいお手本です」。この日はさらに全美貞(韓国)とも初めて一緒に回ることもできた。12年の賞金女王は身長175センチ。「すごく大きかった」と見上げた身長差29センチの元女王の技術も間近で見ることができた。

この日は、3バーディ・3ボギーのパープレーで迎えた最終18番パー4でティショットを左の池に落としダブルボキーを喫した。トータル1アンダー・38位タイに後退したが、収穫が大きく有意義な一日。2人の女王とのラウンドが今後の糧になる。

ルーキーイヤーだった昨年は国内女子下部のステップ・アップ・ツアーで2勝を挙げた。初優勝は最終日に9打差を逆転し、2勝目はプレーオフを制し2週連続V。レギュラーツアーではここまで苦戦が続いているが、スターとなる資質は秘めている。「20位以内を目指したい」と奮起を誓った最終日。小さな体に詰まったパワーをフル稼働させて、巻き返しを期していた。(文・臼杵孝志)

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