医師がいない島を抱える沖縄・竹富町 スマホアプリのチャットで健康相談・ビデオ通話で診療も 東京の企業と協定

 オンライン診療などで離島の医療体制を強化しようと沖縄県竹富町(前泊正人町長)は14日、東京都のノーススター(田北浩大社長)と包括連携協定を結んだ。町民は同社のスマートフォンアプリのチャット機能を使って看護師に無料で健康相談できる他、ビデオ通話で医師の診察を受けられる。(八重山支局・矢野悠希)

 同町内にある六つの診療所は基本的に医師と看護師が1人ずつ。新城島や西表島の船浮集落、鳩間島には診療所がない。

 同社は、スマホで利用できる健康相談・オンライン診療サービスを全国で展開している。14日の協定締結後、町民であれば健康相談を何度でも、無料で利用できるようになった。

 健康相談はチャットや画像送信などで看護師とリアルタイムでやりとりする。医師によるオンライン診療も保険適用で受けられる。 前泊町長は「これまで以上に町民が安心して暮らせるようになる。脆弱(ぜいじゃく)になりがちな離島の医療体制を支え、現場の医師と看護師の負担軽減にもつながる」と喜んだ。

 ノーススターの田北社長は「町民の安心安全に資する取り組みができてうれしい。テクノロジーと寄り添いの医療で特に子どもを持つ保護者の不安を取り除いていきたい」とメッセージを寄せた。

 同社は1月に石垣市とも同様の協定を結んでおり、すでに800世帯が利用している。

 町民がサービスを利用する場合、町の公式LINE(ライン)を「友だち追加」し、そこから「キッズドクター」のアプリをダウンロードする。

包括協定を結ぶ竹富町の前泊正人町長(中央)とノーススターオペレーション部門の森真也香部長(右)ら=14日、同町役場

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