【宇佐】太平洋戦争末期に開発された特攻機「桜花(おうか)」をテーマにした企画展「戦争の記録をつなぐ」が、宇佐市上田の市民図書館で開かれている。8月18日まで。桜花は「人間爆弾」とも呼ばれ、運用する特攻専門の神雷(じんらい)部隊は宇佐海軍航空隊にも配備された。企画展には実際に使われた部品や隊員の遺品など計68点を展示。6月1日には桜花を題材にした映画の上映もある。いずれも入場無料。
桜花は1.2トンの爆弾に木製の翼を付けた長さ6メートル、総重量約2トンの1人乗り。戦場近くまで運ばれて切り離され、人間の操縦で敵艦に突入した。宇佐海軍航空隊からは国内で初めて出撃する予定だったが米軍の空襲を受けて中止となり、その後、出撃することはなかったという。
企画展には桜花の風防ガラスや照準器、構造などが分かる写真や資料、隊員の遺書などを展示。隊員の山田恵太郎一飛曹が姉に宛てたはがきなど9点は初公開となる。
担当した市教委社会教育課の安田晃子さん(66)は「桜花に乗っていたのは自分たちと変わらない普通の人だったということを感じ、戦争について考えるきっかけにしてほしい」と話している。
映画は午後1時から宇佐文化会館小ホールで。旧海軍航空隊にゆかりのある宇佐など4市でつくる「空がつなぐまち・ひとづくり推進協議会」の主催で、神雷部隊を描いた「サクラ花 桜花最期の特攻」(2015年製作)を上映する。
終了後、出演した落語家林家三平さん、松村克弥監督らのトークショーや、三平さんによる国民の戦意高揚を目的に作られた国策落語「出征祝」もある。
映画やトークショーは先着300人。問い合わせは同課(0978.27.8200)。