初夏の彩り 愛らしく 宍粟・ちくさ高原でクリンソウ見頃

新緑の森の中で花を咲かせるクリンソウ=ちくさ高原

 県の絶滅危惧評価でBランクに指定されているクリンソウが、兵庫県宍粟市千種町のちくさ高原で見頃を迎えた。今月上旬の強風雨の影響で一部に傷みがあるものの、風薫る新緑の中でかれんな紅紫色の花々がひっそりと咲いている。

 クリンソウはサクラソウ科の多年草。仏塔の「九輪」に似た直径2センチほどの花が幾重にもつく。

 ちくさ高原内にある約15ヘクタールの「ちくさ湿原」は国内有数の自生地で、大小6カ所の群生地に約40万株が生育する。地元住民らでつくる「クリンソウを守る会」が約10年前から遊歩道を整備し、観光客を受け入れている。

 開花情報などを発信する交流拠点施設「ちくさええとこセンター」によると、今年は今月11日ごろに周辺が強風雨に見舞われたことで、例年より開花した株数が少ないという。 見頃は5月末ごろまで。ちくさええとこセンターTEL0790.71.0230(辰巳直之)

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