【陸上】「どう表現すれば…」苦悩から約1週間 田中希実がパリ五輪代表に決定

田中希実

〝第一関門〟を突破だ。世界最高峰シリーズ・ダイヤモンドリーグ(DL)第5戦(25日=日本時間26日、米オレゴン州ユージン)の女子5000メートルで田中希実(ニューバランス)が14分47秒69をマーク。パリ五輪の参加標準記録(14分52秒00)を突破し、2大会連続の五輪代表に決まった。

19日に行われたセイコー・ゴールデングランプリ(東京・国立競技場)では、1500メートルで4位に終わり「このまま行くと、海外のレースを戦える力じゃない。レースに絡んでいけるかどうかもわからない」と吐露。世界のトップを見据える上で試行錯誤を繰り返すも、不完全燃焼のパフォーマンスに「自分の走りをレースでどう表現すればいいか、まだつかめてない」と口にしていた。

それでも、決して逃げることはなかった。この日のレースは前半から先頭集団のペースアップに後退を強いられるも、粘り強い走りを披露。中盤からはペースの落ちた選手を抜いていった。順位は11位だったが、パリ行きのチケットを獲得。トラック&フィールド種目では日本人4人目の内定者となった。

かつての本紙インタビューでは「パリ五輪は1500メートルと5000メートルで出られたら、2種目とも決勝に残ることが目標になってくると思う」と語っていた田中。目標の実現へ、ここからが本番だ。

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