木村拓哉も広瀬アリスも大苦戦の4月期ドラマで輝いた「3人の俳優の名前」“新境地・色気・本物実力”

広瀬アリス、木村拓哉 (C)ピンズバNEWS

現在放送中の地上波テレビの4月期ドラマは、全体的に不調のようだ。

たとえば、5月23日に第5話が放送された木村拓哉(51)主演の『Believeー君にかける橋ー』(テレビ朝日系/木曜夜9時~)。“スター”キムタクのドラマかつテレビ朝日開局65周年作品ということで出演者も非常に豪華であり、放送前の注目度は高かったが――。

「世帯視聴率は約10%と取れていますが、現在、テレビ界が最重要視している13~49歳のコア視聴率は非常に厳しい状況にあります。5月16日の『Believe』第4話はコア1.8%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。木村さんのドラマでこのコア数字は衝撃的ですね。

ただ、『Believe』に限らず今期の連ドラは、フジ月9で若者人気も高い俳優・広瀬アリスさん(29)主演の『366日』(フジテレビ系)なども数字がパッとしない。安定してコア視聴率4%超という高視聴率を維持しているのはTBS日曜劇場枠で長谷川博己さん(47)主演の『アンチヒーロー』だけで、“一強状態”というか、同作以外は厳しいことになっています」(ドラマ制作会社関係者)

そんな、数字面は絶不調の4月期ドラマだが、

「人気俳優にこれまでのイメージと違う役をやらせたり、久しぶりにテレビに姿を見せた人がいたり、“映画俳優”のイメージが強い人をメインキャストにしたり。挑戦的なキャスティングで、ドラマ評価とは別に脚光を浴びている俳優も多いですね。

4月期ナンバーワンの『アンチヒーロー』でも、意外な俳優が注目を集めていますね」(テレビ誌編集者=以下同)

長谷川博己が主演する『アンチヒーロー』は放送前、北村匠海(26)や岩田剛典(35)などイケメン俳優に注目する視聴者も多かったが、現在は堀田真由(26)の存在感が日に日に増しているようだ。

堀田が演じているのは、主人公の後輩弁護士・紫ノ宮飛鳥。グレーゾーンな調査をして情報を仕入れたり、颯爽とバイクを走らせるシーンが多かったりと、クールでやり手な若き弁護士である。

堀田も飛鳥役が新境地という自覚はあるようで、5月18日の『マイナビニュース』では《新たな挑戦でした》と話し、

《現代劇ではどちらかというと笑顔の印象が強い役柄が多かったと思うので、紫ノ宮のように社会人の役でカッコ良くて自立した女性は演じたことがなかった》

と、振り返っている。

「堀田さん演じる飛鳥は、第1話から“ある秘密”を抱えていたため、伏線として意味深な表情や行動をする場面が多かったことも、印象深さにつながりましたね。

また、5月12日の第5話では、演技派でベテランの藤木直人さん(51)演じる父親との長尺のシーンもあり、堀田さんの主役回と言っても差し支えない存在感だった。堀田さんにはすでに多くの実績がありますが、『アンチヒーロー』は彼女が真のトップ俳優へと進むきっかけになる作品となりそうです」

■錦戸の主役食い“色気”が注目を集めている

堀田の『アンチヒーロー』での活躍には、

《匠海目当てで見てるけど、堀田真由さん演技上手い好き》
《堀田真由ちゃんの意味深な行動と表情多すぎて気になる、真由ちゃんの演技ほんとに好き》

といった、高評価する声がX(旧ツイッター)に多く寄せられている。

「赤楚衛二さん(30)主演の『Re:リベンジー欲望の果てにー』(フジテレビ系/木曜夜10時~)も、キャスティングの面で放送前から注目されていました。主人公のライバルでエリート医師・大友郁弥として錦戸亮さん(39)が起用されていますが、これが見事にハマっていて、主人公を食いかねない存在感なんです」

錦戸は、2019年9月末に旧ジャニーズ事務所を退所しているが、『Re:リベンジ』が退所後初の地上波連ドラレギュラー出演として放送前から話題を集めていた。

錦戸は、23年6月に松坂桃李(35)主演のNetflixドラマ『離婚しようよ』で“色気だだ漏れのヒモ男・恭二”という強烈なキャラクターを演じて、俳優としての存在感が増しているタイミングでの起用であった。

「錦戸さんはアラフォーを迎えたことも相まってか、大人の色気が凄まじいことになっていますが、『Re:リベンジ』では白衣姿でそれがさらに際立っています。敵役として挑発的に主人公や悪人を冷ややかな目で見つめたり、子ども相手には優しくて、実は善人であることも示唆していたり……脚本通りなんでしょうが、赤楚さん以上に主人公に見えてきますね」

『Re:リベンジ』では、錦戸のセクシーなカッコよさを表現した場面も多く、

《BARカウンターで一人お酒呑んでる錦戸亮…いや大友郁弥。色気ヤバすぎでしょ》
《理事長選に情報収集も隙がない大友先生のロッカーのシーン……ちょっと疲れた感じの色気がすごい》

といった声も上がっている。

■映画好きの間で有名だった俳優がドラマでも話題に

「同じフジドラマでは杉咲花さん(26)主演の医療ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(フジテレビ系/月曜夜10時~)も、二番手役の俳優が、特に映画好きの間で注目を集めています」

『アンメット』は記憶障害の脳外科医・川内ミヤビ(杉咲)が、アメリカ帰りの脳外科医・三瓶友治と出会うことで始まる物語。その三瓶役の若葉竜也(34)に、大いに注目が集まっているという。

「若葉さんは、ドラマチックに演じないんです。極端に誇張しすぎず、それでいて決して無感情には見えないギリギリのラインで、非常にリアルに役を演じている感じ。『アンメット』は音楽やカメラ、間の感じなど全体的に映画っぽい雰囲気の作品なので、若葉さんの演技がさらにピッタリとかみ合っています。

演技力の高さ、地上波ドラマでは滅多に見られない俳優のため、映画好き以外の層から”誰か分からないけどスゴい”となり、話題なんですよね」

若葉は、杉咲とNHK朝ドラ『おちょやん』(20年後期)、映画『市子』(23年)などで共演歴があり演技力は本物だが、映画に比べると地上波ドラマの出演は消極的なスタンスに見える俳優だ。

『アンメット』の出演も当初は気乗りしておらず、

《普段は連続ドラマを見ないので、自分が見ない媒体に出たいと思わなかったのが正直な気持ちです。(略)連続ドラマはどうしてもスピード優先で制作が進むので、葛藤が生まれる瞬間もあると、俳優仲間から聞いたことがあって。そこが自分のスタンスには合わないだろうなと思っていました》

と、4月12日配信の『with digital』でコメントしているが、杉咲が電話をかけて出演を後押ししたことが制作発表会見で明らかとなっている。

若葉は映画好きの間では評判の俳優だったが、映画を観ない層にはそこまで名が知られていなかった。それだけに『アンメット』で彼を知った人も多く、

《民放ドラマの怒るシーンがうるさいと常々思ってるので、今日の静かにブチギレる若葉竜也は素晴らしかった。映画の人だ》
《失礼ながら全く知らなかった若葉竜也さんすごくいい役者さんなのでは…何者なんだ…と思いながら見てた》
《ドラマ見るまで若葉竜也を知らなかったが、ここまで三瓶先生を作り上げるとは すごい俳優さん 今ひそかに三瓶先生推し》

といった声が多く寄せられている。

「新境地を切り開いた堀田さん、久々の地上波連ドラで抜群の色気を見せた錦戸さん、ドラマ好きにも刺さる本物の演技力を見せる若葉さん。リアルタイムではあまり見られておらず、いまいち盛り上がりに欠ける4月クールのドラマですが、その中でも3者は、自身のポテンシャルを発揮して、大注目となっています」

堀田、錦戸、若葉、3人に注目すれば、放送中のドラマはもっと面白くなるのかも。

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