日欧交流の功績たたえる 平戸で按針忌 50人参列、献茶やバラ供える

三浦按針の墓碑に献花する井上会長=平戸市、崎方公園

 江戸時代初期、徳川家康の外交顧問として仕え、平戸で没した英国人ウィリアム・アダムス(日本名・三浦按針(あんじん))を追悼する按針忌が25日、長崎県平戸市大久保町の崎方公園であり、関係者約50人が日欧交流の礎を築いた功績をしのんだ。
 按針は1600年、オランダ船リーフデ号で現在の大分県臼杵市付近に来航。家康から豊富な知識を評価され重用された。オランダや英国の商館が平戸に開設される際に尽力。20年に平戸で病死した。
 按針忌は平戸市の市民団体「国際交流HIRAの会」(井上隆会長)が1995年から按針の命日に近い5月下旬に毎年開き29回目。
 園内の墓碑の前で黙とう後、井上会長が「400年前も今もオランダは平戸市民にとって最も身近な国となっている」とあいさつ。駐日オランダ臨時代理大使のテオ・ペータス氏が「私たちは皆、アダムスが成し遂げたことへの称賛の気持ちを共有している」と献辞を述べた。
 松浦家第41代当主で、茶道鎮信流宗家の松浦章さんが、臼杵市の水でたてた抹茶を墓碑に献茶。尺八の演奏が流れる中、参列者が1人ずつ英国の国花、バラを祭壇に供えた。

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