1強『アンチヒーロー』ハリウッド方式の一方でキムタク&赤楚作品に猛ツッコミ 「もうあかん」トンデモ展開

長谷川博己、木村拓哉、赤楚衛二(C)ピンズバNEWS

5月26日、長谷川博己(47)主演の連続ドラマ『アンチヒーロー』(TBS系/日曜夜9時~)の第7話が放送される。

『アンチヒーロー』は、殺人犯をも無罪にしてしまう“アンチ”な弁護士・明墨正樹(長谷川)の物語。美しい映像や俳優の迫真の演技もさることながら、脚本に強いこだわりを持って制作されたドラマとしても注目を集めている。

「『アンチヒーロー』の脚本担当は、山本奈奈氏、李正美氏、宮本勇人氏、福田哲平氏。1クールドラマでは異例の4人体制です。これはエンターテインメントの本場・ハリウッドや、その手法を積極的に取り入れているエンタメ大国・韓国でも主流のやり方ですね」(制作会社関係者=以下同)

4月22日、『アンチヒーロー』の飯田和孝プロデューサーはX(旧ツイッター)で《最初に70ページほどの全話のアウトライン》を作っていて、すでに最終話までの脚本が完成していること、4人の脚本家で1エピソードを書き上げているほか、最終話の脚本が完成してから1話に台詞を追加したことを明かしている。

「ハリウッド方式で、脚本に非常に力を入れているだけに“ツッコミどころ”はほとんど見当たらないし、展開もワンパターンにならない。疑問を感じさせるところも、今後の伏線なのだろうと思わせます。裁判シーンは動きが少ないですが、弁護側と検察側、裁判長の攻防で手に汗握る、飽きさせない作りになっていますよね。

そこに一流の演出と、実力派俳優陣の演技がくる。『アンチヒーロー』は現在放送中の4月期ドラマで“視聴率1強状態”ですが、勝つべくして勝っている、という感じですね」

現在、テレビ界では13~49歳の個人視聴率であるコア視聴率が最重要視されている。『アンチヒーロー』は第6話(5月19日)のコア視聴率が4.5%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)で、4月期ドラマで断トツトップの数字を誇っているのだ。

「4月期ドラマでコア3%台を維持している作品はなく、完全に『アンチヒーロー』の1強状態です。

他のドラマも、キャスティングでは決して負けていない作品もある。放送前は大きな話題になっていたドラマもあります。しかし、もはや、人気俳優を出せば数字が取れる、という時代ではないですよね。やはり、最も重要なのは、『アンチヒーロー』が力を入れている脚本なのではないでしょうか。

なのに今クールでも、X(旧ツイッター)でツッコミが多数出るトンデモ展開となり、放送の度に視聴者が離れていって、“もう、あかん”という声が出てしまっている作品もありますね」

■キムタクドラマと錦戸復帰作の脚本にツッコミ殺到

木村拓哉(51)主演の『Believeー君にかける橋ー』(テレビ朝日系/夜9時~)と、赤楚衛二(30)主演の『Re:リベンジー欲望の果てにー』(フジテレビ系/夜10時~)。奇しくも、同じ木曜日に放送されている連ドラ2作には、ツッコミの声が多く寄せられている。

5月19日『アンチヒーロー』がコア視聴率4.5%を獲得した3日前、5月16日のコア視聴率は『Believe』(第4話)が1.8%、『Re:リベンジ』(第6話)が1.5%だった。

【以下、『Believe』第6話予告と『Re:リベンジ』第8話予告までのネタバレを含みます】

「『Believe』は開局65周年記念作ということで、木村さんを筆頭に俳優陣は超豪華。非常に気合いの入った作品で、無実の罪を被った主人公が脱獄して、真実を明らかにしようとする。そして、それを権力者が妨害――という、王道の展開です。

しかし、展開ありきでキャラが動いている感があり、設定、行動に無理があるシーンも多いんですよね」

たとえば、先の第5話では、主人公で逃亡犯の狩山陸(木村)を、静岡在住の知人・半田豊(田中哲司/58)が「頼みたいことがある」言って匿う展開があった。最初は理由をはぐらかしていたが、半田が狩山を救ったのは「殺人の罪を押しつける」ため。半田は大学生だった娘を“まだ逮捕されていない交際相手の男性”に殺されているが、その男をこれから殺して、その罪を狩山に押しつけるつもりだったのだ。

騙して罪をこっそり押しつけるならともかく、半田が狩山に直接この件を説明する展開に、

《なんで罪被ってくれるって思ったの?》
《業務上過失致死罪の人(狩山)に殺人の罪を被せるのはちょっと無理では…》
《いやいや半田さんには無理だよ。 あと狩山さんに押し付ける前にバレるよ》

と、ツッコミがXにも寄せられている。

「『Believe』は、次の第6話から“驚愕の真相編”に突入するということです。ここで話が大きく動いて、面白くなる展開もあるかもしれませんが……。

会社員で設計者ながら刑務所のチンピラを一瞬で倒せるほど強い主人公は、会社を守るために逮捕・収監されたが、妻ががんで余命いくばくもないことが判明したため脱獄するなど、前半の強引な設定、展開には《荒唐無稽が過ぎる》といった意見も多く出ている。そこで視聴を止めてしまった人も多数いそうです。コア視聴率はどんどん落ちていっていますからね……。

赤楚さん主演の『Re:リベンジ』も展開が強引だったことに加えて、主人公の“ヤラカシ”が回を追うごとに悪化していて、視聴者からの評価は、もはや取り返しのつかないところまで来ています」

■主人公の評価がもはや挽回不可能な状態に

『Re:リベンジ』は、大病院の理事長の息子・天堂海斗(赤楚)と、錦戸亮(39)演じる心臓血管外科の大友郁弥(錦戸亮)の権力争いを描く物語。放送前は、錦戸の5年ぶり地上波連ドラレギュラー作品として注目を集めていた。

だが、放送が始まると序盤から赤楚演じる主人公の視野の狭さ、人を見る目のなさに辟易する視聴者が多く、5月23日の第7話で主人公・海斗はついに取り返しのつかないことをしてしまった。

本作は1話から心臓病の少女・美咲(白山乃愛/11)が登場しており、錦戸演じる大友は負担の大きさから彼女の手術に反対していたが、海斗は外部から医師・岡田(内田慈/41)をリクルートし、手術を強行。しかも、術後に美咲を診察しようとした大友を私怨から“休暇”の名目で遠ざけてしまう。

ところが大友が休暇で病院にいないタイミングで美咲の容態が急変し、そのまま亡くなってしまう――そんなショッキングな展開が、第7話で描かれた。

実質的に主人公が美咲を殺したも同然の展開に加え、次の第8話予告では海斗が岡田の医療ミスを隠蔽しようとしていることから、赤楚演じる主人公の評価はどん底状態に。

《主人公こっからどう挽回すんの?てかできる?》
《大体さぁ主人公が周りの企みで酷い目にあってボロボロになるパターンが多いじゃない??自らの選択で勝手に墜ちてくなんて想像してなかったわ。。》
《主人公海斗に感情移入出来ない天狗になりすぎ大友とのライバル視はいいが私情挟みすぎ お前ら2人で勝手にやってろよ 美咲ちゃんが気の毒》

といった視聴者からの厳しい声が多数Xに寄せられている。

「あまりにもなトンデモ展開なんですが、ただ主人公が視聴者に徹底的に嫌われるストーリーは意図してのことでしょう。主人公が追い込まれて、ボロボロになって、そこから復活していくような話になるのかもしれません……。が、ここまでの主人公を全く応援できない展開に、視聴を止めた人は多そうです。

しかも、物語は残り3話ほど。主人公の“復活”は間に合うのか……どんなラストを迎えるのか、想像もつかないですね」

木村が主演する『Believe』は《手に汗握るサスペンスと人間ドラマが織りなす壮大な物語》、赤楚主演の『Re:リベンジ』は《人間の内に秘めた「欲望」がむき出しになっていくリベンジサスペンス》。どちらもサスペンスと人間ドラマが売りの作品なのだが、ここからの大復調はあるのか――。

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