不登校の子どもに「育ちの場」を 川棚にフリースクール 必要性訴え 経験ある親らが設立

川棚町初の民間フリースクールの発起人、荒瀬さん(中央)と運営スタッフ=長崎県川棚町百津郷

 長崎県東彼川棚町に初の民間フリースクール「自由楽校(がっこう)ゆめまある」が6月7日、百津郷にオープンする。登校がつらいと感じる子どもに、居場所や「育ちの場」を提供しようと、不登校経験者、子どもが学校に行けないなどの悩みを抱えたことがある親らで立ち上げた。
 「ゆめまある」は保護者らでつくる一般社団法人「かわたな夢キッズ」が一軒家を借り受けて運営する。長男、長女の不登校に悩み、自身も小学生のころ不登校を経験した荒瀬奈穂子代表理事(41)が発起人。昨年5月、交流サイト(SNS)で「居場所」の必要性を訴え、賛同者と「親の会」を設立した。さらに当事者を含む15世帯、約30人を中心に勉強会を重ね法人化。町教委とも連携し、独立行政法人福祉医療機構の助成を受けて開設にこぎ着けた。
 東彼3町では学校に行けない子の居場所として、東彼杵町教委の適応指導教室がある。今春、同町に民間フリースクールもできたが、川棚、波佐見両町にはなく、佐世保市に通う児童・生徒もいたという。
 運営スタッフは親の会メンバーや、元放課後児童支援員ら5人程度。毎週火、水、金、土の週4回、午前10時から午後3時まで開く。地域との交流や野外・各種体験も計画している。
 発起人の荒瀬さんはシングルマザー。「私が見る世界が、そのまま子どもたちが見る世界になるのが怖かった」と自身の経験を振り返る。「一人で悩み、抱え込む親も多いと思う。子どもには、いろんな人とつながりを持たせたい。子どものありのままを受け入れ、伴走していく場所にしたい」と語った。
 利用料は月謝制で1万円程度。単発利用も受け入れる予定。見学・体験会を26日と6月4~6日の午前10時~午後4時に開く。運営資金をサポートする賛助会員も募集中。問い合わせは荒瀬さん(電090.5022.2789)。

© 株式会社長崎新聞社