ゲーミングスマホ「ROG Phone 8」レビュー:性能は最高峰、でも威張らず“普段使い◯”万人にオススメの有力候補

ASUS JAPANは5月17日、ゲーミングブランド「ROG」より展開されているゲーミングスマホの最新機種「ROG Phone 8」シリーズ3製品を発表した。本稿ではその中から標準モデル「ROG Phone 8」を実機フォトとともにご紹介する。

【画像】ファンを付けるとゲーミング感が凄い…!現状最高クラスの性能有する「ROG Phone 8」実機フォト&ベンチマーク結果(全15枚)

ROG PhoneはASUSが手掛けるゲーミングスマートフォンとして、毎年初夏〜夏シーズンに最新モデルを投入しており、今回も約1年ぶりに新型が発表となった。前モデル「ROG Phone 7」との比べてより高速なプロセッサへの更新が行われているほか、シリーズ史上初となる「おサイフケータイ」に対応するなど機能性の強化が図られており、今回紹介する「ROG Phone 8」は標準モデル。価格は159,800(税込)。

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処理性能は心配ご無用 現状最高スペック

ゲームに特化したスマホであることから、ROG Phoneではその当時の最高性能を有するプロセッサを搭載してきた。ROG Phone 8も例外でなく、クアルコム社製の最新世代SoC「Snapdragon 8 Gen3」を採用するほか、RAMは標準モデルで一律16GB、最上位のPro Editionに至っては24GBを搭載しており、「ゲーミングノートPCに匹敵する超高性能」を実現する。

ベンチマーク結果などの詳細は後述するが、現時点で発売されているAndroidスマホの中で最高クラスであり、一般的なゲームはもちろん、動作が激重と名高いオープンワールドRPG『原神』も“同時にほかのゲームを遊べる”レベルの余裕で快適プレイが可能となっている。

欲求スペック高いと話題の新作「学マス」ももちろんOK

爆熱本体を“外付けファン”で冷ますロマン設計

本製品に限らず、ゲーミングスマホはその高性能さがゆえに“発熱”という重要な課題も抱えており、メーカー各社は「如何にして効率的に排熱し、性能低下を防ぐか」の努力が見受けられる。そして、近年のROG Phoneシリーズでは「外付け空冷ファン」という、外部から風を送る力技戦法を採用している。

ファンをドッキングすると一気にゲーミング感

外付け空冷ファンは本体左側面にあるUSB-C端子に接続して使用し、ROG Phone 8のために設計されているため、接続時はロック機構により頑丈かつ外れない仕様になっている。その恩恵は非常に大きなもので、処理の重いゲームタイトルのプレイ時にも全く温かさを感じさせないほど。ただ、プロセッサ自体の性能が向上しているため、サーマルスロットリングが発生したとしてもなお性能は高いこともあり、必ずしも装着する必要はない。

また、この空冷ファンはただ単にデバイスの発熱を抑えるだけでなく、本体にトリガーを搭載していることから拡張コントローラという顔も持っており、柔軟な割当も可能になっている。これから厳しい暑さに見舞われる季節になるが、手元を涼しく保ちつつ、操作性も向上するのは一石二鳥以上の利をもたらしそうだ。

ゲームプレイをサポートする機能

弊誌では過去にもROG Phoneシリーズを取り上げており、その際には「すべてがゲームの快適なプレイをサポートするために設計されている」と紹介していた。今回もその系譜を受け継ぎ、通常のスマホにはない、ゲームプレイヤーにとって魅力的な機能が用意されている。

そのうち最も特筆すべきは、本体側面の両端に搭載されているトリガーボタン。スマホゲームは画面をタッチするという都合上、操作性においてコントローラに見劣りする部分もあるため、多くのゲーミングスマホでも外部にトリガーボタンを配置する事例があり、本製品もその一つ。

しかし、本製品は物理ボタンではなくセンサによる凹凸のない機能を採用している。本体右側面の両端に配置された感圧センサが利用者の入力を認識し、振動を通じて擬似的な押下フィードバックを提供する方式で、トリガーボタンは各種ゲームにおいてタッチ操作を割り当てることができる。また、先の空冷ファンの割り当てや、傾き検知によるトリガーも対応しており、幅広い操作のエミュレートが可能になっている。

このほかにも、低遅延が求められるFPSやリズム系ゲームのプレイヤーのために、スマホでは絶滅寸前の3.5mm有線イヤホンジャックもしっかり搭載されているほか、横持ちで充電しながらも快適にゲームをプレイできるように、本体底面の充電用USB-C端子は中央ではなく左側に寄せられているなど、行き届いた配慮も。

ちなみに、本体や空冷ファンはゲーミング製品ならではの光る仕様になっており、自由に調整もできるが、装飾は上位モデルよりやや落ち着いた印象になっている。

ライティングは控えめだけどしっかり搭載

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「あと一歩」が叶った普段使いできるスマホに

そして、前モデルからの大きな違いに挙げられるのが「普段使いできるスマホ」としての完成度が高まったという点。過去機種も使用したことのある筆者の私見として、これまでが普段使いに適さないという訳ではないが「あと一歩…!」と感じる場面も複数見られた。

カメラ下部がセンサの読み込み位置

その一つがモバイルSuicaをはじめとした「おサイフケータイ」の有無。都市圏に住んでいると何かと便利なおサイフケータイだが、これは日本独自の機能であり、海外メーカーが国内発売をする際には都度の仕様変更を行わないといけない。ゲーミングスマホの市場自体が小さかったが故に、実装コストとの兼ね合いで長らくの実装が叶っていなかったが、ROG Phone 8から搭載されたことで、普段使いできるゲーミングスマホとしての魅力がより高まった。

カメラ作例:一般的な夜景写真も撮影できる

また、おサイフケータイと同じく、新たにQi規格によるワイヤレス充電にも対応。ゲームプレイ時に並行した充電となると、どうしても給電速度の都合で非力ではなるが、こちらも「必要派」の方々にとっては有力な乗り換え候補になるかもしれない。

最後に、性能測定のために行ったベンチマークテストの結果を共有すると、以下の通りだった。同じSoCを搭載したXiaomi 14 Ultraでは約200万点台強であったことから、メモリ容量や効果的な排熱が好影響を与えていそうだ。

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※Antutu Benchmark V10
1回目:総合2,183,524(40.4℃)
2回目:総合2,156,549(43.2℃)
3回目(空冷ファンあり):総合2,207,992(38℃)

※2回目は1回目の直後に実施、3回目は独立

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