Hey!Mommy!が、5月19日(日)にSHIBUYA DIVEにて、主催イベント<Hey!Mommy! SP定期公演 『School of IDOL Season 4』 〜ゴキゲンclass編〜>を開催した。
<School of IDOL>は、Hey!Mommy!が“アイドルとは?を学ぶ”をコンセプトとした対バンイベント。今回はGOKI-GENsをゲストに迎え、各グループが20分のライブを交互に行なう4部構成となった。
本記事では、Hey!Mommy!とGOKI-GENsが躍動感あふれるステージを展開し、多幸感あふれる空間を作り上げた同イベントのレポートをお届けしよう。
取材&文:竹内伸一
狂騒的な盛り上がりを見せた<いちにじかんめ>
場内が暗転すると「OVERTURE」が流れ出す。お馴染みの“Hey!”のコールが沸き上がる中、先攻のHey!Mommy!がステージに登場。6人は「Hey! Baby!」のスローテンポなイントロに乗って可愛らしく歌い出し、一転、曲調がアップテンポになると原明日香が“みんなで楽しんで行きましょう!”と声を上げて、<ゴキゲンclass編>の幕を開けた。
6人は笑顔ではつらつと動き回り、一気に会場をハッピーで楽しい雰囲気へと染めていく。サビの拳を振り上げる振り付けでは、観客も一緒になって腕を振りながら声を上げ、終盤では、GOKI-GENsとの対バンにちなんで、“ゴキゲン”と“Hey!Mommy!”のコール&レスポンスを誘発。会場の一体感も高めていった。
1曲目を終えるとMCへ。自己紹介を済ませた途端、“GOKI-GENsさんがゲストなんてやばい!”“緊張する!”“楽しみ過ぎて寝れなかった!”などと口々に語り、GOKI-GENsとの共演に、興奮を隠せない様子。アイドルシーンのレジェンドと、自分たちのプロデューサーが在籍するグループと同じステージに立つことは、緊張もするだろうがやはり光栄なことだろう。佐々木ひまわりが“パフォーマンスもオーラも全部吸収したい”と話していたが、その言葉が6人の気持ちを端的に表していたように思う。
作島藍が“初披露の新曲です!”と前振りをして、2曲目の「ご機嫌マミーはご機嫌ガール」へ。こちらもアップテンポなポップナンバーで、やはり6人ははつらつと歌い踊る。コミカルな動きを交えつつも、端々にシャープさがうかがえるそのダンスは、Hey!Mommy!らしさにあふれたものだった。ラストのポーズを決めると、会場からは大きな拍手が起こった。
“悠里の好きはホントだよ”と、秋元悠里が色っぽく口上を決めると「恋するとちゅう」へ繋ぐ。6人は軽快なリズムに乗ってここでも楽しそうに歌い踊る。“みんなで踊るよ!”と煽ると、会場も一緒になって踊り出す。その姿はやはり実に楽しそうだ。今丘葉月が“せ~の!”と煽ると、今度は会場から“ハイハイハイ!”の声が上がり、その楽しさが増幅していった。
そのままこれまたテンポの速い「LOVE ME DO DO」へと雪崩れ込む。6人はステージを走り回りながら全力でパフォーマンスをくり広げ、延松舞佳の笑顔がこぼれると、ほかのメンバーにも笑顔が広がっていった。そんな彼女たちを会場のコールが盛り立て、狂騒的な盛り上がりを見せる中、Hey!Mommy!の<いちじかんめ>は終了。“次はGOKI-GENsさんです!”とバトンを渡した。
“上級者”のオーディエンスと作り上げた強い一体感
<にじかんめ>のGOKI-GENsは、“盛り上がって行きましょう!”の声とともに、「Moonlight night~月夜の晩だよ〜」のイントロに乗ってステージに。この日は、高橋愛、藤井早希子、槙田紗子の3人でのライブとなった。
明るく楽しい雰囲気だったHey!Mommy!とは対照的に、重低音が昂揚感を煽る中、3人はクールかつ妖艶な雰囲気を醸し出しながらパフォーマンス。間奏では、その動きに激しさが加わって見応えのあるシーンを作り出した。
続く「リゾナント ブルー」でも、4つ打ちのダンスビートに乗ってクール&セクシーに踊り、ソウルフルな歌声を響かせる。高橋は立ち姿から凛々しさがあふれ、レジェンドの風格が漂う。槙田はさすが振付師と唸らせる切れ味鋭いダンスで魅了。藤井は長身を活かした迫力のあるパフォーマンスで観る者を惹きつけていった。
MCでは、高橋が“私たちは武道館を目指している”とその目標を語ると、槙田が“Hey!Mommy!も目指しているんですよ。ライバル!”と返す。すると高橋が“Hey!Mommy!は日本武道館でしょ? 私たちはいろいろな武道館だから。武道館は各地にある(笑)”とオチをつける。クールなパフォーマンスとは真逆な和やかなMCで緩急をつけた。
冒頭2曲はモーニング娘。のナンバーだったが、3曲目はオリジナル曲の「ザ・ゴキゲンズ」。これまたアッパーな4つ打ちと重点音が会場を揺さぶっていく。3人は手拍子を促し、“せ~の!”などと煽りつつも、やはりクールに歌い踊った。
“次の曲はサココレオなので、一緒に踊りましょう。みんなは上級者だと思うのでサビをフルで踊ってもらいます”と槙田が振り付けをレクチャーして「Cut It Out!~私が選ぶの~」へ。観客はイントロから“オイ!オイ!”のコールを巻き起こし、問題のサビではメンバーとともにばっちりと振り付けを決めた。槙田の言葉どおりの振り覚えの早さには、3人から笑顔がこぼれ、槙田はサムズアップで讃えた。終盤の手刀をくり返すような振り付けも全員で踊り、さらには予期せぬコールも発生。これには“即興ですごい!”“さすが上級者!”と、メンバーもさらに驚いていた。
ラストは再びモーニング娘。の楽曲で「Only You」。激しいビートに焚きつけられるように、これまで以上にダイナミックに踊り、エモーショナルに熱唱すると、“オイ!オイ!”という野太いコールが響き渡って<にじかんめ>を締めくくった。
ダイナミックなパフォーマンスが生み出した熱狂
<さんじかんめ>は、再びHey!Mommy!の出番。「もちぷる」のイントロに乗って登場した6人は、新しい制服衣装に着替えており、<いちじかんめ>とは趣を少々変えてのライブとなった。しかしながら、サビでは楽しそうに震えながらジャンプをくり返し、その明るい雰囲気は相変わらず……などと思ったら、「MAGNET」で世界観が一変。真剣な眼差しで一心不乱に歌い踊る。間奏では“ヘイ!ヘイ!”の大合唱を巻き起こし、最後は観客が大ジャンプをくり返す。会場を熱狂的な空間へと塗り替えていった。
作島が「ご機嫌マミーは!」と声を上げると、観客が「ご機嫌ガール!」と応えて、<いちじかんめ>に初披露した新曲を再び投下。2度目のパフォーマンスということで、6人の動きもさらにはつらつとしたものに感じられた。フロアには早くも振りをコピーして踊りまくる猛者の姿も。槙田が語っていたように“さすが上級者”と唸らされる場面であった。
ラストの「SCP!」では、“回るよ~!”の声とともに、旋回する振り付けを会場中でダンス。“ゴキゲンなみんなが見たいな!”(秋元)、“もっと回りま~す!!”(佐々木)とメンバーもガンガンと観客を煽り、盛り上がりがピークに達すると、大きな拍手が巻き起こった。
9人で描いたゴキゲンな光景
<よじかんめ>のGOKI-GENsは、しなやかに踊りながらステージに現れると、まずはモーニング娘。の「女が目立って なぜイケナイ」をやはりクール&セクシーに披露。続く「気まぐれプリンセス」では、そこに激しさが加わり、さらに見応えのあるパフォーマンスをくり広げていく。特に間奏で魅せたダンスは切れ味抜群で、3人のスキルの高さに圧倒されてしまった。
MCで高橋が“今の2曲は20年くらい前の曲。また踊ることになるなんて!”と語っていたが、10代の頃にこんな大人びた楽曲をパフォーマンスしていたのかと、改めて驚かされた。また、年齢を重ねた現在の方が、さらに楽曲の世界観を表現できているようにも感じられた。
さてMCでは“ゴキゲンなこと”というテーマでトークを展開。“差し入れのパンが美味しくてゴキゲン”(槙田)、“(自分のカラーの)赤いライトの人がいてゴキゲン”(藤井)、“趣味の塗り絵がウマくいってゴキゲン”(高橋)と、それぞれが発表すると、高橋が“みんなにも聞いてみよう”と観客に話しかける。すると“何もなし”という寂しい答えが。高橋は即座に“そんなことないよ! 今はゴキゲンでしょ?”とファンを激励。このように観客を巻き込んでいくのも彼女たちのライブの魅力だ。
オリジナル曲「好きを言葉に変えて」では、大サビで槙田と高橋が肩を組みながら楽しそうに歌う。高橋の大ファンだと公言する槙田にとっては、これもまたゴキゲンな時間となったことだろう。
ここでHey!Mommy!を呼び込んで、一緒に再び「Cut It Out!~私が選ぶの~」を全員で踊ることに。GOKI-GENsの3人の後ろにHey!Mommy!が並ぶ形でのパフォーマンスとなったが、槙田は6人がちゃんとできているのか気になるのか、チラチラと後ろの様子を確認していたように見えた。もちろん、6人はしっかりと振りを覚えてきており、楽しそうに踊っていた。
ラストも9人のまま「恋愛レボリューション21」へ。モーニング娘。の代表曲であり、国民的な大ヒットとなったアイドルナンバーを全員で歌い踊ると、観客も踊りまくり、一緒に歌いまくる。この日のハイライトとも言えるまさにゴキゲンなシーンで<ゴキゲンclass編>を締めくくった。
この後のトークコーナーでは、Hey!Mommy!のメンバーからGOKI-GENsの3人へさまざまな質問が。印象的だったのは“引っ張っていけるリーダーになるには?”と原からたずねられた高橋の回答。“できないことをやろうとしても無理! メンバーが支えてくれるから大丈夫。自分らしくやればいいと思う”。リーダーがすべてを背負うのではなく、みんなで支え合うことがグループとして大事だというのは、大きなグループをまとめてきた高橋が言うからこそ説得力がある言葉だったように思う。レジェンドからそんな金言ももらった今回の<School of IDOL>は、Hey!Mommy!にとってまさに学びの場となったのではないだろうか。