「デザインされたものだった」湘南MF池田昌生が磐田戦の“開始14秒弾”を回想。逆転負けには悔しさ露わ「甘さがあった」

5月25日、湘南ベルマーレはJ1第16節でジュビロ磐田と敵地で対戦し、2-3で敗れた。

この日のサプライズは、湘南が見せた高速の先制劇だ。キックオフのパスを受けた3バック中央の大岩一貴が右ストッパーの髙橋直也にボールを渡すと、髙橋がドリブルで相手を1枚剥がして前進。右サイドで高い位置を取った池田昌生が髙橋からパスを受けると、右足で高精度のクロスを供給。ボックス内でフリーになっていたルキアンがヘディングシュートを決める。この間、わずか14秒だった。

流れるような美しいゴールの背景を、アシストした池田が明かした。

「あれはデザインされたものだったので、僕らはそれを実行しただけです。スタッフ陣も含めて、みんなで作り上げたゴールだったので、すごく嬉しかったです」

【動画】池田昌生が演出した開始14秒の先制弾!
ルキアンがネットを揺らした直後、池田は山口智監督のもとに駆け寄った。「狙い通りにやってやったぞ!」と言わんばかりに、指揮官にアピールをしながら抱きつきに行く姿からは、選手と監督の信頼関係が伝わってきた。

このゴールで勢いづいた湘南は、29分に福田翔生が自ら奪ったPKを沈めて2点差に。ただ、前半終了間際の45+5分に1点を返されると、後半に2失点を喫し、アウェーで悔しい逆転負けに終わった。

今季、湘南が先制したゲームはここまで5試合で、その内の4試合で逆転されている。リードを守りきるために、チームに必要なものは何なのか。池田は次のように考える。

「自分たちが良かったけど結果が付いてこなかった、というような、いわゆる“もったいない敗戦”ではなかった。今日の負けは実力差があったように感じます。自分たちに甘さがあった。選手がどれだけ責任を重く受け止めて、次に向かえるか、だと思います。

連動して相手をはめるプレスは、何度か出せていた。それをどれだけ続けられるかと、プレスに行けない時の判断の修正はしなければいけないかなと」

ここまで6ゴールずつを記録しているルキアンと福田をはじめ、FWの得点力は十分と言える。池田の言うように、課題は守備。“プレスに行けない時の判断の修正”を施せば、上位への道も開けるはずだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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