「光る君へ」人気にあやかろうと…大河ドラマ展の入場者が伸び悩む理由 JR駅からの距離で敬遠?

紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送に合わせ、京都府宇治市が開催している大河ドラマ展の入場者数が伸び悩んでいる。市は会場の観光拠点施設「お茶と宇治のまち歴史公園・茶づな」(莵道)の知名度不足が原因と分析している。

3月11日の開館以降、入館者数が低調のまま推移している大河ドラマ展の会場(宇治市莵道・茶づな)

大河ドラマ展「都のたつみ 道長が築いたまち」は、ドラマに登場する紫式部や藤原道長などが宇治とゆかりがあることから開いている。会場には撮影で使用した衣装や物語を紹介するパネル、平安時代の宇治を描いたイラストなどが並ぶ。期間は3月11日から来年1月13日。

市によると、ドラマ展の入場者数は4月21日に1万人に達した。ただ出足は低調で、開催期間中の目標とする15万人には届かないペースとなっている。

会場の茶づなは2021年10月にオープンし、集客の低迷が続いている施設だ。京阪宇治駅に隣接しているものの、主要な観光玄関口のJR宇治駅からはやや離れており、ドラマ展を目当てにした観光客からは「(会場への)道筋が分からない」との声も聞かれるという。

こうした状況を踏まえ、市はJR宇治駅からの来場者を増やそうと、4月27日~5月6日の間、土日・祝日は20人乗りのマイクロバス、平日は8人乗りのジャンボタクシーを無料で走らせた。ルートはJR駅を発着点に、茶づなと市源氏物語ミュージアム(宇治)を結んだ。

このほか、市内の飲食店など45店舗の協力を得て、ドラマ展の入場チケットの半券を提示すると、割り引きやプレゼントといった特典が受けられる取り組みも始めている。

登場人物の衣装などが並ぶ大河ドラマ展の会場(宇治市莵道・茶づな)

ドラマの効果により、源氏物語ミュージアムなど市内の関連施設の客足は伸びているという。松村淳子市長は「しっかりとドラマ展の会場に来てもらえるよう、今後もさまざまな取り組みを考えていきたい」とする。

(まいどなニュース/京都新聞)

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