早乙女 編みがさ姿で手際良く 新見で伝統の「太鼓田植」

 新見市神郷下神代の夢すき公園で26日、江戸中期に始まったとされる「太鼓田植(たうえ)」(岡山県重要無形民俗文化財)が披露され、観光客らが伝統的な田植え風景を楽しんだ。

 地元の神代郷土民謡保存会メンバーと神代小児童ら計約30人が、園内の水田(約2アール)で実演。男衆が打ち鳴らす太鼓と軽快な田植え歌に合わせ、紺がすりの着物に編みがさ姿で一列に並んだ「早乙女」が苗を手際良く植えていった。

 カメラを手に訪れた岡山市北区の男性(82)は「風情があっていいですね。田植えを手伝った子どものころを懐かしく思い出しながら、シャッターを切りました」と話していた。

 太鼓田植は作業のつらさを軽減して能率を上げる目的で行われたといい、農業の機械化とともに衰退した。新見市内では二つの保存会が伝承に取り組んでおり、6月9日には後楽園(岡山市)の「お田植え祭」で披露する。

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