7月中の復帰と「オフェンスの武器」になることを目指すブラウンズRBハインズ

ナイヒーム・ハインズ【NFL】

まさかの事故で2023年シーズンが始まる前に離脱してから10カ月、クリーブランド・ブラウンズのランニングバック(RB)ナイヒーム・ハインズはケガをする前の状態に戻る準備が整っている。

ハインズは昨年7月にジェットスキーに乗っていた際に他のライダーに衝突されてACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂し、2023年シーズン全体をバッファロー・ビルズの故障者リザーブ(IR)で過ごした。

チームの公式記録によると、ハインズは今週、こう語ったという。「自分の身に起こったことは、災いを転じて福となすというような出来事ではなく、そこから学ぶべきことだと考えている。正直に言って、これは俺の人生の中で一番つらいことだった。このつらいことを乗り越えた先にはすべてがあると心から信じている・・・だから、この大変な時期を乗り越えることができれば、自分にとって最高の時期がやってくると思う」

このオフシーズンにブラウンズと契約したハインズは今週、記者団に対して、OTA(チーム合同練習)には参加しないものの、7月末に予定されているミニキャンプには間に合う見込みであり、シーズン第1週にはフィールドには立つことを目標としていると話した。

2018年NFLドラフト4巡目でインディアナポリス・コルツに指名されて以来、ハインズはランニングバックとしてもリターンのスペシャリストとしても活躍してきた。コルツで4年以上過ごしたハインズは主にバックアップの役割を果たしながら、キャリー300回で1,205ヤード、レシーブ235回で1,725ヤードをマーク。さらに、パントリターンとキックオフリターンで合計1,125ヤードを記録している。

2022年シーズン途中にビルズへトレードされた後、ハインズはリターナーとしての起用が増えた。特に印象的だったのはシーズン第18週の試合であり、ハインズは96ヤードと101ヤードのキックオフリターンタッチダウンを決めてビルズの勝利に貢献している。2023年にはさらに大きな役割が期待されていたが、膝の負傷によりその計画は頓挫した。

新しいチームでリターンゲームでのインパクトを取り戻すことを望んでいるハインズは、今年から変更されるキックオフルールが自分のような選手に“有利”だと考えている一方で、スペシャルチームの役割だけに甘んじるつもりはないと明かした。

ハインズは次のようにコメントしている。「俺は世界で一番大きな選手ではないけれど、怖がるつもりはない。ちゃんと挑むつもりだ。俺はパスキャッチ能力で知られているから、リターンスペシャリストというのは、正直言ってちょっと失礼だと思う。5年間で230回以上キャッチしたリターンスペシャリストなんて他に知らないよ」

「だから、俺がバッファローにトレードされて、そこで10試合しかプレーできず、新しいオフェンスを学ばなければならなかったこと、昨年はプレーする機会がなかったことをみんな忘れてしまったんだと思う。だからこそ、フィールドに出て自分がオフェンスの武器であることを証明するのがすごく楽しみだ。パス、キャッチ、キック、エンプティーなど、リターンゲームと同じようにオフェンスでも大きな武器になれるんだ」

ハインズはニック・チャッブやジェローム・フォードに続くランニングバック陣の中でポジションを争うことになるが、チャッブも膝の大ケガからの復帰を目指している。チャッブは昨シーズン第2週にMCL(内側側副靭帯/ないそくそくふくじんたい)を断裂し、ACLを損傷していた。ハインズは同じようにケガの回復に努めながら、チャッブからいろいろなことを学んでいるという。

ハインズは「ここに来て最初の数週間、ニックと一緒にリハビリをしていたから、誰かと一緒にいて、他の選手と一緒にリハビリができて、ランニングバック陣の一員なれたことが本当にうれしかった。ニックは言うまでもなくリーグ最高のバックの1人だから、彼から学ぶのが待ちきれない。彼とはデビュー同期で、かなり打ち解けられたから、一緒に仕事ができるのは本当に楽しみだし、精神的にもすごく助けられている」と語った。

【KO】

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