「お前が俺を守れるわけないだろ!」放送禁止用語を交え感情を爆発させたドンチッチ。しかし本人は「スロベニア語を話しただけ」<DUNKSHOOT>

現地時間5月24日(日本時間25日、日付は以下同)に行なわれた、プレーオフのウエスタン・カンファレンス・ファイナル第2戦。22日の初戦を3点差で落としたミネソタ・ティンバーウルブズはこの試合、ホームのターゲット・センターで牙を剥き、ダラス・マーベリックス相手に最大18点差をつけて優位に立った。

だが、劣勢を強いられたマブズが怯むことはなく徐々に追い上げると、最終クォーターではカイリー・アービングが両チーム最多の13得点と爆発。

同点10度、リードチェンジ12度を記録した試合は、残り1分29秒でウルブズが5点差をつけるも、マブズはアービングの3ポイントで2点差に。ウルブズが2本のターンオーバーをしたことで、残り12.1秒にタイムアウトを要求する。

2点を追う終盤のポゼッション。マブズはデレック・ライブリー二世がルカ・ドンチッチへスクリーンをかけてマークマンのジェイデン・マクダニエルズを剥がし、ルディ・ゴベアとの1対1のシチュエーションを作り出す。
するとドンチッチは巧みなボールハンドリングでゴベアへ揺さぶりをかけ、右にステップバックして繰り出した長距離砲は綺麗にリングへ。そのまま逃げ切り、109-108でマブズが逆転勝利を飾った。

勝敗を決定づける一発を見事決め切った直後、ドンチッチは「クソ野郎が!お前が俺をガードできるわけないだろうが!」とシャウト。試合後の会見で米スポーツ専門局『ESPN』のティム・マクマホン記者から「つまり(ゴベアでは)君をガードできないということ?」と、ドンチッチは質問を受けた。

すると「誰がそんなこと言った?」と切り返し、記者から「いや君が言ってたよね」と言われると、ドンチッチはニヤリと笑みを浮かべて「言ってない。スロベニア語を話していたんだ」と対応。ただ、試合会場にいた人たち、画面越しで観ていた人も、その瞬間の映像を見れば誰もがわかるように放送禁止用語を交えて叫んでいたこともあり、あくまでジョークとして受け流していた。

ただ、値千金の一撃を見舞った直後だけに、ドンチッチの感情が爆発しても無理はないだろう。このままホームでの第3戦にも勝利し、優勝した2011年以来となるNBAファイナル進出へ王手をかけることができるか。運命のゲーム3は26日、マブズの本拠地アメリカンエアラインズ・センターで行なわれる。

文●秋山裕之(フリーライター)

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