メルセデスAMGが「ピュアスピード コンセプト」をモナコで世界初公開! 「ミトス」ブランドの第一弾として発表予定

2024年5月22日、メルセデスAMGはF1モナコGPの会場で「ピュアスピード(Pure Speed)コンセプト」なるオープン2シーターをお披露目した。これは、メルセデス・ベンツが以前に発表した新たなラグジュアリーブランド「ミトス」の第1弾モデルとして発表される予定だ。

F1と同様の「ハロ」システムを採用

モナコ港の浮遊ポンツーンで発表された、コンセプト メルセデスAMG ピュアスピード。

ピュアスピード コンセプト(以下、ピュアスピード)は、エキサイティングでエネルギッシュ、しかも息を呑むような美しさを兼ね備えたモデルだ。発表場所がF1モナコGPの会場というのも、このクルマに合っている。ルーフはもちろん、フロントウインドーもない完全なオープン2シーターの先進的なスタイリングは、モータースポーツへのオマージュでもある。

メルセデス・ベンツは2022年5月に したが、このピュアスピードはミトス ブランドの第一弾として限定発売される予定だ。

純粋で妥協のないレーシングカーをインスパイアしたデザイン、革新的な素材や最新の技術が生み出すピュアスピードの限定台数は250台。世界的なメルセデス・ベンツ愛好家やコレクターのみが手に入れることができるだろう。それはつまり、メルセデス・ベンツが再び「量から質」への転換を目指していることの表れでもあり、ピュアスピードはメルセデス・ベンツの「排他性の頂点」を体現している。

ピュアスピードのスタイリングで最も特徴的なのは、従来のクルマのAピラーに代わる「ハロ(HALO)」システムの採用だろう。これはモータースポーツからのフィードバックであり、2018年以降のF1マシンをはじめ、多くのフォーミュラカーに採用されている、ドライバーの頭部保護システムだ。

F1マシンのそれと同様に、ハロはクルマのボディに接続されたブラケットで構成されている。形状は空気力学的にも最適化されており、またピュアスピード専用に設計・製造されたヘルメットも装備されている。インテリアは、色や機器が独特なだけでなく、ダッシュボード上にはIWCシャフハウゼンのアナログ時計が備わり、さらなるハイライトを追加する。

スタイリングで最も特徴的な「ハロ」。専用に設計・製造されたヘルメットも装備される。

ハイパーカーのメルセデスAMG ONEもインスパイア

ボンネットは長く、シャークノーズ(サメの鼻)と呼ばれる低いフロントエンドも特徴的だ。

きわめて低いシルエットのデザインは、ハイパーカーの に触発されたものだ。ボディ下部の鋭くカットされたカーボンファイバー製パーツは、ボディ上部の官能的で丸みを帯びた形状と強いコントラストをなしている。

ボンネットは長く、シャークノーズ(サメの鼻)と呼ばれる低いフロントエンドも特徴的だ。フロントまわりの雰囲気はメルセデスAMG ONEに似ているが、さらに空力的に最適化されたボンネットやエアアウトレットが備わる。ホイールの前後にはカーボンファイバー製のクラッディングが装着され、ブレーキ冷却効果や空力効果を高めている。

ピュアスピードのディテールには、モータースポーツで活躍したメルセデス車へのオマージュが見て取れる。シート後方の二つのフライングバットレス(飛び梁)は、1955年のミッレミリアでスターリング・モスらが優勝した300SLRなどを彷彿とさせる。レッドからブラックのAMGパターンのグラファイトグレーへのカラーグラデーションは、1924年のタルガ・フローリオで優勝したメルセデス車のカラーリングをイメージ。ピュアスピードに付けられたゼッケン「10」は、その優勝車から引き継がれている。

メルセデスAMG(ミトス)ピュアスピードの市販モデルは250台限定ということは公表されているが、その詳細や発表時期などは、まだアナウンスされていない。もちろん、日本に何台やって来るかも分からないが、クルマ好きであれば、ぜひ一度は実車を見てみたいものだ。

シート後方の二つのフライングバットレス(飛び梁)は、1955年のミッレミリアでスターリング・モスらが優勝した300SLRなどを彷彿とさせる。

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