横浜FMの交代策に「正直びっくり」 ACL決勝でOB異論…不在に嘆き「彼しかできない」

ACL決勝第2戦でアル・アイン(UAE)に1-5で大敗

横浜F・マリノスは現地時間5月25日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦でアル・アイン(UAE)とアウェーで対戦し、1-5で敗戦。2試合トータルスコア3-6と及ばず準優勝に終わったなか、この試合の中継で解説を務めたクラブOBはある交代策に触れ、「正直びっくりしました」と後々の影響を嘆いた。

横浜FMはACL決勝初戦のホームゲームを2-1で勝利し、引き分け以上の結果で優勝が決まるアウェー決戦に臨んだなか、立ち上がりの前半8分に先制点、同28分にPKで追加点を許し、トータルスコアで2-3と逆転を許す。同40分、FWヤン・マテウスが意地の一撃で再び合計スコアを3-3イーブンにしたが、その後、窮地に立たされる。

前半アディショナルタイム、最終ラインの背後に抜け出された相手FWとGKが1対1になる状態で、GKポープ・ウィリアムがペナルティーエリア外まで出て対応したが、相手を倒してしまい決定機の阻止で退場処分になった。横浜FMはこの緊急事態にFWエウベルを下げてGK白坂楓馬を入れる事態になった。

数的不利になった横浜FMはアル・アインの攻勢を凌げず、後半23分、押し込まれ続けた中でペナルティーエリア内から強烈シュートを決められ失点。合計スコアで3-4と勝ち越されると、同アディショナルタイムには2点を奪われ、結果的にはトータル3点差の大敗。アジア王者への挑戦は最後の一歩のところで届かなかった。

この試合を中継したスポーツチャンネル「DAZN」で解説を務めたマリノスOBの水沼貴史氏は試合後、「喜田を外したのは正直びっくりしましたね」と言及。後半23分、合計スコアで勝ち越された痛恨の失点を喫する直前、キャプテンのMF喜田拓也がピッチをあとにした影響に触れた。

「まだ多分できるし、チームをまとめなきゃいけない役割なので。じゃあ誰がっていうのは僕が言うことではないと思いますけど、チーム全体を前を向かせるっていうのは多分、彼しかできなかったと思うんですよね。それが大きかったかなと思いますね」

後半23分の失点により数的不利で苦境に立たされたとはいえ、1点を返せばまだアジアの頂点へ望みをつなげる可能性はあった。しかし、勢いを増すアル・アインの攻勢を掻い潜る策を見出せず、水沼氏も「リーダーシップ取れる人が見えない感じがするんですよね。もうちょっと我慢しろとか、中の声がけがないんじゃないですかね」と、キャプテン不在の影響を嘆く場面もあった。

「最終的には質の高さを見せつけられた」と、アル・アインが一枚上手だったことを認めた水沼氏。それでも、奇跡を起こせた可能性がゼロだったとは誰もが言い切れない。3失点目を喫してから、それまで保たれていたチームの士気が徐々に低下してしまった印象もあっただけに、あの状況でキャプテン喜田がピッチに立っていたら……と感じさせたのも無理はないのかもしれない。(FOOTBALL ZONE編集部)

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