「光る君へ」逃走、虚言…伊周の胸中は?三浦翔平が振り返る「長徳の変」

第21回より三浦翔平演じる伊周 - (C)NHK

吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)の第21回では流が下された藤原伊周を巡る怒濤の展開となり、演じる三浦翔平が恐怖とパニックに陥った伊周の心境を振り返った。第21回放送後、公式Xなどで公開されたインタビュー動画「君かたり内」で語った。

第21回「旅立ち」は、伊周、その弟・隆家(竜星涼)が花山院(本郷奏多)に矢を射かけた罪で流罪が下されてからの展開。検非違使・別当の実資(秋山竜次)らが伊周らを捕えるべく二条邸に向かい、隆家が腹をくくり出雲へ向かう一方で伊周は逃走。間もなく舞い戻った伊周は出家したと言い、「出家したゆえ任地には赴けぬ。帝にそうお伝えせよ」と流罪を免れようとする。しかし実資は出家を虚偽と見抜き、「被り物をとられよ」と一言。「これから剃髪するゆえ任地には赴けぬ。帝にそうお伝えせよ!」とこの期に及んでも再び逃げ出そうする伊周に中宮・定子(高畑充希)も「このうえは帝の命に速やかに従うべし」と説得しようとするが、伊周は「嫌だ嫌だ」と醜態をさらし、母・貴子(板谷由夏)が伊周に同行する決意をしたことでようやく収まることとなった。

そうして大宰府に向かう伊周の心境に、三浦は「誤解から始まった話がこんなにも大きな問題になってしまって後悔だったり焦りだったり混乱だったり恐怖だったり怒りだったりっていう、いろんな負の感情を持ったまま大の大人がはいつくばって泣き叫んでどうにかそこにとどまろうとするなか、母上が「私も共に参ろう」ということを言ってくれて、そこでようやく少しだけ心の安らぎができてしぶしぶ大宰府に向かうというシーンですね」と回顧。

母・貴子(板谷由夏)と引き離される伊周

貴子は伊周に「わたしがそなたに多くを背負わせてしまったのよね」と哀し気につぶやくが、三浦は対する伊周について「聞いているようで聞いていないというか、耳にちゃんと入ってきていない状況ですかね」と分析。「というのも、今のこの状況が、なんでこんなことになってしまったんだというのを多分、もう一度頭の中でグルグルグルグルなっていて、今起こっている状況自体を伊周自身が理解できていなくて、ほぼ放心状態に近い矢先に引きずり出されてしまうんですけれども」と伊周が絶えず混乱のさなかにあることを指摘する。

貴子の同行によりようやく大宰府への出立を覚悟した伊周だが、一条天皇(塩野瑛久)は伊周の罪を免れるための虚言を許さず、母と引き離すよう実資に命じた。帝の命を受け、貴子を引き戻しにやってきた実資と道長(柄本佑)に、伊周、貴子は情けを乞うが道長は動かなかった。これに対し、三浦は「この一連の話、全部そうなんですけど伊周の脳みそがまだ追いついていないんですよ。今のこの状況に対して。今起こっていることに対しての言葉を話しているだけなので引きはがされてお願いをしてまた引きはがされて。あとからフツフツとくるものはあるとは思うんですけれども。今現段階ではもうとにかく必死なんですよ。今の状況に対して」と現実を受け入れられない伊周の胸中に思いを巡らせていた。(編集部・石井百合子)

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