広島県府中町長選、寺尾氏が初当選 新人5人の争い制す

初当選を決め、万歳して喜ぶ寺尾氏(右から2人目)

 広島県府中町長選は26日投開票され、無所属新人の元町議寺尾光司氏(65)が、いずれも無所属新人の4氏を破り、初当選した。

 2期目の佐藤信治町長の引退表明を受け、元町議川上翔一郎氏(37)=自民、公明推薦、会社役員松本真明氏(34)、元町議二見伸吾氏(60)、元中学校教諭角田(すみだ)明広氏(61)と今後の町政を巡る論戦を繰り広げた。

 寺尾氏は、町役場で38年勤め、総務部長や府中公民館長を担った経験を前面に「即戦力」をアピール。和多利義之元町長や、同期だった1期目の町議、町内会の役員たちの支援を受けた。町道の拡幅など朝夕の交通渋滞対策や公園、河川、森林整備による防災対策などを訴え、支持を広げた。

 大通の事務所に当選確実の一報が入ると、寺尾氏は集まった支持者と万歳し「皆さんのおかげ。住み心地の良いまちづくりをさらに進めていく」と意欲を示した。

 川上氏は、佐藤町長の後押しや連合広島の推薦も受けて組織戦を仕掛けたが及ばなかった。松本氏は経済人の視点を生かした訴えを展開、共産党の町議だった二見氏は無所属で立候補したが支持者の広がりを欠いた。角田氏も浸透しなかった。

 当日の有権者数は4万2155人。投票率は37・71%で過去最低だった前々回の2016年(34・45%)を3・26ポイント上回った。

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