鬼頭明里『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』で、善逸役・下野紘とのエピソードを回想「すごく思いがあふれていました」

『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』で、竈門禰󠄀豆子(かまど・ねずこ)の声を演じる鬼頭明里さんが、アフレコ現場の様子や作品の見どころを語りました。

【写真6枚】フェアリー感あふれる佇まいをみせる鬼頭明里

鬼頭さんは、2014年から声優として活動を開始し、『タイムボカン 逆襲の三悪人』(2016年)でヒロイン・カレン役を務めるなど、多くの話題作に出演。2019年にはアーティストデビューし、活躍の幅を広げています。

鬼頭さんが演じる禰󠄀豆子は、家族を鬼に殺されて自身は鬼にされてしまったものの、兄の炭治郎(CV:花江夏樹)とともに鬼と戦ってきました。

めざましmediaでは鬼頭さんにインタビュー。アフレコ現場の様子や、プライベートで“稽古してみたいこと”を聞きました。

<鬼頭明里 インタビュー>

――「柱稽古編」が現在放送中ですが、今、どのような心境でしょうか?

柱の皆さんがクローズアップされて、今まであまり登場してこなかった柱についても知ることができるシリーズなので、一視聴者として楽しみに見させていただいています。

――2019年に『鬼滅の刃』のアニメが「竈門炭治郎 立志編」から始まって、5年が経ちました。この5年を振り返っての思いをお聞かせください。

自分が『鬼滅の刃』とともにあるというか、アフレコ自体は一時期に集中してやるんですけど、イベントやコラボ、ゲーム、一年中『鬼滅の刃』関連の収録をしているので、本当に生活の一部になっています。

ファンの皆さんにとって『鬼滅の刃』は身近なものになっていると嬉しいのですが、私の仕事としても、ずっと一緒にやってきているという感覚ですね。

――今回の収録は、皆さんで集まってできたと伺っています。花江夏樹さん、(我妻善逸役の)下野紘さん、(嘴平伊之助役の)松岡禎丞さんと一緒の収録は、いかがでしたか?

「刀鍛冶の里編」では善逸と伊之助の出番が少なかったので、下野さん、松岡さんとは「久しぶりですね」とお話しして。花江さん含め、4人でのそんなやりとりすら懐かしくて楽しかったです。

――久しぶりの登場となった善逸を演じる下野さんとご一緒に収録をされて、いかがでしたか?

下野さんはすごく思いがあふれていました(笑)。

勢いがありすぎるから「もうちょっと落ち着いてください」とディレクションを受けていて、それも含めて下野さんだなって(笑)。

――禰󠄀豆子に再会した善逸が喜びを爆発させるものの…という楽しいシーンですね。

原作を読んで、すごくかわいいと思っていたシーンでした。禰豆子のことを子分のように大事にしている伊之助が久しぶりに見られますし、しゃべれるようになった禰豆子に伊之助がまず自分の名前を教えるのも、かわいいやりとりだなと思いながら収録しました。

――花江さんとのやりとりは、いかがでしたか?

花江さんは『鬼滅の刃』が始まった頃からずっとやさしくて、私はお兄ちゃんみたいに思っています。本当のきょうだいのような距離感で、いつもいい感じに距離があって、仲良しすぎないというか(笑)。

仲がいいからこそ、そんなに会話はいらない感覚だなって、私は勝手に思っていて。今回も、花江さんがそういう存在でいてくれて、居心地が良かったです。

禰󠄀豆子のおかげで表現に深みが出せるように

――「柱稽古編」で、視聴者として気になるシーンを教えてください。

原作を読んで、(富岡)義勇(CV:櫻井孝宏)さんのエピソードがすごく意外だったんです。クールなイメージの義勇さんが実はすごく考え込んで、抱えているものがありつつも頑固で、そういうところが人間味があって可愛いなと感じたので、楽しみですね。

――鬼頭さんが、ここまで禰豆子を演じてきて変化などありましたか?

禰󠄀豆子は、うなり声だけで感情を表現する必要がありました。その経験を経て、他の役をやるときも、リアクションの声や、セリフではないリアクション、“!”や“?”だけのセリフにも感情が乗せられるようになったと感じます。

言葉になっていないセリフも全部意味があって言っていて、それが「何に対しての反応なのか」かまで、ちゃんと伝わるように演じることを考えるようになりました。自分の中でレパートリーも増えたような気もしますし、表現に深みが出たのかなと思っています。

――太陽を克服した禰󠄀豆子ですが、彼女の成長をどのように感じますか?

禰󠄀豆子は鬼にされてしまったけど、自我を保って、小さい姿になったり、大きくなって戦ったりと、いろんな姿があります。

さらに、「刀鍛冶の里編」では太陽を克服して、ちょっとしゃべれるようになるという。『鬼滅の刃』の中で変化し続けるキャラクターで、私も演じるのがすごく楽しいです。

――ちなみに、鬼頭さんご自身が最近、克服したことはありますか?

なんですかね…1人の時間を過ごすのがすごく苦手で。でも、最近は1人の時間も楽しめるようになってきたかなと。

――1人の時間は、どのように過ごしているんですか?

体を休めるなど、“何もしないこと”をしようと思うようになりましたね。予定を詰め込んじゃうと、メンタルは回復するけど体力的には全然回復しないまま、また仕事に向かうことになっちゃうので。部屋の片付けをしたり、ゴロゴロしたりする時間も必要だなと思いながら過ごしています。

稽古してみたいのはパルクールやバック転

――「柱稽古編」にちなんでお聞きします。声優養成所時代にいろんな練習やお稽古をしたと思いますが、好きだった練習、苦手だった練習があれば、教えてください。

私が行っていた事務所の養成所は、現場ですぐ使えるアフレコの技術体験のような感じの授業ができて、マイク前でお芝居したり、掛け合いをしたりするのは楽しかったですね。

滑舌の練習でやった「外郎売(ういろううり)」(※)は、言葉が難しくて苦手でした。やっているうちに慣れて言えるようになりましたけど、もう今は言えないです(笑)。

(※)長い早口言葉が登場する歌舞伎の演目。声優やアナウンサーなどが、発声や滑舌のトレーニングに活用することでも有名。

――鬼頭さんが今、稽古したいこと、習ってみたいことはありますか?

パルクールを習いたいとずっと思っています。漫画みたいにビルとビルの間を移動したり、壁を登ったりしてみたいなって。

――体力に自信があるんですね?

あれは体力じゃなくて体重移動が重要そうだから、いけるんじゃないかって謎の自信があるんですよ(笑)。いつか、バック転もしてみたいです。

――そうなんですね!体を動かすのが好きなんですか?

インドア派だと見られがちなのですが、意外と体を動かすことが好きなんです。

――最後に、「柱稽古編」を楽しみにしている視聴者の方々へメッセージをお願いします。

大人気の柱の皆さんが登場するので、エピソードを楽しみにしながら、炭治郎たちの成長も見守っていただけたら。ずっと戦いの中で成長してきた炭治郎たちが、やっと柱の皆さんと向き合って先輩たちからいろいろなことを教えてもらえるのかなと思うので、ぜひ楽しんでください!

撮影:河井彩美

取材・文:伊沢晶子

<放送概要>

『テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編』

毎週日曜23時15分~45分

©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

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