『ACMA:GAME アクマゲーム』ガイドの正体が明らかに 竜星涼が『光る君へ』に続く好演

謎の組織「グングニル」のトップである「ガイド」の正体が明かされた『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)第8話。

予想していた通り、ガイドの正体は照朝(間宮祥太朗)の父・清司(吉川晃司)だった。崩心(小澤征悦)が話していた「グングニル」の目的は「新しい世界の創造」だったが、どうやらそれは悪魔の鍵を使って世界中の争いを大きくし、大虐殺を起こすことにあるようだ。

彼らがトーナメントを開催したのは、参加者の悪魔の鍵を全て奪うためだ。悪魔の鍵はアクマゲームで勝利するか、所有者がその権利を譲渡するかしか入手する方法がなく、力づくでは奪えない。

今話で明かされたのは、やはり初(田中樹)は照朝と悠季(古川琴音)のことを裏切ってなどいなかったこと。欲に溺れたフリをして崩心に接近し、ガイドの情報を収集していた。

また、今回のアクマゲームの内容「粘土問答~Clay Dialogue~」は潜夜(竜星涼)の過去のトラウマを暴く。五感をシャットアウトされ暗闇で待機する時間が潜夜にはたまらなく恐怖で苦手のようだ。かつて彼が帰宅した後、母親と妹が何者かに襲われ動かなくなった人形のように横たわっているその残像が脳内にこびりつき取れない。ハイテンションで刹那的な刺激や快楽を常に求めているかのような潜夜だが、意外すぎる一面、弱点が見えた。なるほど、彼が一匹狼なのも頷ける。

潜夜役を演じる竜星涼は、大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)では藤原隆家役を熱演し、感情のままに突っ走る問題児でトラブルメーカーぶりを見事に体現していたのも記憶に新しい。

本作でも竜星演じる潜夜は、対戦相手の天才棋士・毛利(増田昇太)から冷静な判断力を奪うため、悪魔のチカラを使って彼の妻と息子を会場に瞬間移動させる。だが、毛利はそれに対して同じく悪魔のチカラを発動し、家族のことを自身の意識から消し去り対抗する。

「一番大切なのは家族だろ!」と訴える潜夜に、毛利の妻は「あなたの幸せや価値観を私たちに押し付けないで」と反論。奇しくも、自分だけが生き残ってしまい家族を救えなかった後悔に常に囚われている潜夜に、「いつまでそんなこと言ってるのか」と、ある意味独りよがりとも言える彼の価値観に疑問を呈したようにも聞こえる。そのことが潜夜の気持ちを幾分か楽にしてくれたのではないだろうか。

ゲームに敗北した潜夜が、もう自分の利用価値はないだろうと言わんばかりに自ら別れを告げようとするも、照朝はかつてゲームに敗北した際に自身を救ってくれた潜夜の言葉になぞらえて、共に闘う仲間であることを強調した。

「グングニル」の真の狙いがわかった今、参加者vs参加者という構図よりも、参加者vsグングニルという構図になっていくのだろう。また照朝は悪魔の鍵を奪う、集めるではなく、「壊す」と言っていた。

清司はどうしてそんな選民意識の塊かのような感覚を抱くようになったのだろうか。次週に語られるであろう清司の背景と親子対決が見逃せない。

(文=佳香(かこ))

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