「スゴイデスヨネ」Bリーグ初優勝へ! 逆王手をかけた広島の大黒柱が”日本語”でブースターのハートをワシ掴み「モウ一度、応援オネガイシマス」

広島の大黒柱がコートを明るく和ませた。

プロバスケットボールBリーグの年間王者を決める「日本生命B.LEAGUE FINALS 2023-24」の第2戦が横浜アリーナで行なわれ、広島ドラゴンフライズが琉球ゴールデンキングスと対戦し、72-63で勝利を収めた。これで両チームの対戦は1勝1敗のタイに戻り、28日の第3戦で勝った方が今シーズンのチャンピオンとなる。

史上2チーム目の連覇を狙う琉球が第1戦と同じスタメンで臨んだのに対し、負けられない広島は先発2人を入れ替え、勝負をかけた。すると、23歳のポイントガード・中村拓人の先制シュートを皮切りにドウェイン・エバンスが連続得点、山崎稜の3ポイントなどで広島が得点を積み重ね、琉球を圧倒した。

続く第2クウォーター(Q)は昨季王者が反撃。ヴィック・ローの3ポイントが冴え渡り、さらに岸本隆一とアレン・ダーラムの連続得点で、逆転に成功。広島は4点ビハインドで折り返した。

第3Qも琉球の猛攻は変わらず。だがそれを耐えると、流れは徐々に広島へ。エバンスと山崎が外からの3ポイントなどで点差を詰め、48-47の僅差で勝負の最終Qへ突入する。

残り5分を切って広島が11点のリードを奪うと、琉球の大型センターであるアレックス・カークが5ファウルで退場。窮地に立たされた琉球に対し、広島はさらに突き放すように中村がレイアップシュートを決め、ここまでオフェンスを牽引するエバンスがジャンプシュート、先発起用された河田チリジが強烈なダンクを叩き込み、広島が勝利へ勢いを増す。

琉球も終盤に意地を見せ6点差まで詰め寄るが、その直後に中村がダメ押しの3ポイントを沈めると、王者は意気消沈。完全に息の根を止めると、あとは歓喜のブザーを待つだけだった。
負ければ終わりの崖っぷちから、土壇場で勝利を収めた広島。16得点、5アシスト、6リバウンドをマークしたエバンスは試合後、会場インタビューで会心の逆転勝利について、「スゴイデスヨネ」と日本語で表現。さらに、「この雰囲気スゴイですよね、ホントに」とポップな口調で答え、会場の笑いを誘った。

広島のエースは「今日、みんなは最後まで戦い抜いた。本当に誇りに思います」とチーム一丸での勝利を称えた。チケットも完売したほど、超満員となった1万3203人の観衆については「アメージング」と連呼。まるでホームのような雰囲気を作ってくれたブースターに感謝を述べ、第3戦のサポートも引き続きお願いした。

最後に、28日の大一番に向けて意気込みを求められると、再び日本語で「ドウシヨウカナ…」と少し考えたあと、「モウ一度、応援オネガイシマス」と懇願。広島ファンから大きな声援を受けた頼れる助っ人は、満面の笑みを浮かべて次戦の活躍を誓った。

構成●THE DIGEST編集部

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