横浜・三渓園とインド詩聖の縁、伝えたい サツキ盆栽に「タゴール賞」

タゴール賞を選んだ在日インド人たち=横浜市中区

 アジア人初のノーベル文学賞を受賞したインドの詩聖タゴール。およそ100年前に来日した際、三渓園(横浜市中区)に滞在した縁を知らせようと、日本と同国の交流を進める市民団体と在日インド人らが協力し、19日に始まった同園の「さつき盆栽展」で「タゴール賞」を授与した。同展は6月2日まで。

 賞を創設したのは、「日印女子フォーラム」と、在日インド人団体「インド(ベンガル)・カルチュラル・アソシエーション・ジャパン」。タゴールが創設した西ベンガル州の大学都市シャンティニケタンが2023年に世界文化遺産に登録されたことを記念し、横浜三渓園皐月(さつき)会会員による同展での賞の授与を決めた。タゴールは1916、29年に三渓園を訪れ滞在しており、そうしたゆかりを知らせる狙いもある。

 受賞したのは、インドで平和の色である白と、喜びを表す赤が混じった花が咲いたサツキの盆栽。皐月会の野中伸恭代表とフォーラムの大場多美子代表は「これを契機に三渓園とタゴールの関係を知ってもらえれば」と話し、受賞作品を選んだビスワス・スワパン・クマルさんは「タゴールのメッセージである平和な世界になることを願った。花々で皆の心を豊かにできれば」と話した。

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