CCUS登録、順調に増加/就業履歴環境は今一歩/建専連調査

建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)が傘下の専門工事会社に2023年10~12月時点で聴取したアンケートによると、建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録と全社員の技能者登録が完了している企業は70・5%、登録技能者の能力評価(レベル判定)手続きが全社員で完了している企業は46・2%だった。ただしカードリーダーが設置されていない現場もまだ多く、就業履歴の蓄積可能な環境整備が急がれる。
事業者登録が完了した企業は21年度に79・1%、22年度に85・9%、23年度に92・3%と着実に増加。技能者登録が全社員で完了した企業も21年度に63・8%、22年度に71・6%、23年度に76・4%と年々増加している。いずれも国内全体の事業者・技能者数に占めるCCUS登録率を上回っており、建専連の傘下企業でCCUSが広く浸透している状況がうかがえる。
能力評価手続きの実施企業は「一部の社員で完了」(26・2%)と「現在申請中」(2・2%)も合わせると74・6%に達する。
カードリーダーが設置されていた現場が「80%以上」と答えた企業は、21年度に4・2%、22年度に9・6%、23年度に12・0%と少しずつ増えている。カードリーダーが設置されていた現場が「ゼロ」と答えた企業は21年度に42・7%、22年度に27・8%、23年度に20・1%と改善しているものの依然多い。
カードリーダーの設置率は業種ごとに差がある。「土木」「型枠大工」「とび・土工」「鉄筋」の現場で設置率が高い一方、「塗装」「内装仕上」の現場は低い傾向がある。特に塗装工事業では設置現場が「40%以上」と答えた企業が1割に満たず、「ゼロ」との回答企業が5割近くに上った。

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