岸田首相 静岡県知事選惨敗で重なる〝菅前政権の最後〟…都知事選「小池支持」は吉と出るのか

ともに「選挙の弱さ」が取りざたされる岸田首相(左)と菅前首相

静岡県知事選の投開票が26日に行われ、元浜松市長の鈴木康友氏が当選確実となった。鈴木氏は立憲民主党と国民民主党が推薦していた。一方で自民党が推薦していた元同県副知事の大村慎一氏は落選。岸田文雄首相にも大きなダメージとなった。

川勝平太前知事が失言をきっかけに辞職したことで始まった選挙戦に6人が立候補。大政党のバックアップを受ける鈴木氏と大村氏の一騎打ちとなっていた。永田町関係者は「情勢調査では鈴木氏がわずかにリードし続けていたが、それでも大村氏も引き離されることなく食らいついていた」と指摘した。

川勝県政下で注目されていたリニア問題については鈴木氏も大村氏も建設に前向きで、争点とは言い難い。むしろ浜松市で票を集めた鈴木氏と静岡市で票を集めた大村氏というように地域差が話題となっている。

4月の衆院補選で岸田自民党は3敗。今回の静岡県知事選を含めて大きな選挙で4連敗となった。これにより「岸田では勝てない」という空気感が強まり、6月解散どころか、9月の自民党総裁選に岸田氏が出馬できるのかという疑問も生まれてくる。

別の永田町関係者は「菅義偉前首相は補選敗北に首長選挙の敗北と続き、その後にあった総裁選への出馬を断念することになっています。当時とよく似ていますよ」と指摘した。菅政権時代の2021年4月に衆院北海道2区で自民党は不戦敗、参院長野選挙区と河井案里氏の当選無効により再選挙となった参院広島選挙区でも敗北していた。また、同年8月に菅氏の地元である横浜市で市長選が行われ、菅氏が支援した小此木八郎元国家公安委員長が落選していた。

岸田氏にとって幸運なのは総裁選までまだ時間があることだ。7月の東京都知事選では3選を目指す小池百合子都知事に自民党は乗っかるとみられているが、挽回できるか。

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