「序盤からエグい」快投も、突然乱調になる山本由伸の”悪癖”に米記者が苦言「良くなかった。彼の1日は終わった」

波が激しい日本人ルーキーに苦言が呈された。

現地5月26日、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が敵地でのシンシナティ・レッズ戦に先発登板。5回100球を投げて6安打8奪三振2四球4失点で降板。連敗ストッパーを託されたが、期待に応えられずチームはスイープを喫し5年ぶりの5連敗。右腕は今季2敗目(5勝)となり、3回の3連打には特に厳しい意見が寄せられている。

自身5連勝中だった山本。右腕の立ち上がりは上々のスタートだった。

初回の先頭打者を154キロの速球で見逃し。続く強打のエリー・デラクルーズを直球とカーブの2球種で三球三振に仕留める。3番のスペンサー・スティーアには二塁打を打たれるものの、4番のジェイク・フレイリーをカーブ、スプリットで再び三球三振で翻弄。MLB公式サイトも「ヨシノブ・ヤマモトが序盤からエグい」と脱帽するほど、圧巻のピッチングだった。

ところが3回に別人のように投球が乱れる。ヒットと四球などで2死満塁とピンチを招くと、24日の今カードでグランドスラムを放っているジョナサン・インディアに右前打で2点の先制を許すと、続くニック・マティーニには中前にポトリと落ちるアンラッキーな形でタイムリーを浴び、さらに2点を献上。後続を何とか空振りに抑えたが、3連打を含む4安打4失点を喫した。

4イニング以降は無失点に抑えた山本。5回を投げ切った直後にグラウンドにシートが被せられ、試合は一時中断。球数がちょうど100球に達し、毎回の8三振を奪っていたが、そのまま降板。6回のマウンドを2番手アンソニー・バンダに譲った。
快投したかと思えば、突如コントロールを乱す日本人右腕の波の激しさは米記者も厳しい視線を注いでいる。地元紙『Los Angeles Times』のジャック・ハリス氏は「(今日の)ヨシノブ・ヤマモトは良くなかった。そして、ドジャースの攻撃陣はさらに悪かった」と断言。「ドジャースは5連敗を喫し、これは2019年以降で球団最長となるワースト記録だ」と嘆いた。

他では、全米野球記者協会員(BBWAA)のエリック・スティーブン記者は自身のX(旧ツイッター)に、1回と2回の球数は計33球だったのに対し、3イニング目だけで「37球」を要した点を指摘し、突然の乱調ぶりを強調。米スポーツ専門メディア『The Athletic』でドジャース番を務めるファビアン・アルダヤ氏は「ヨシノブ・ヤマモトの1日は、すでに終わったようだ」と投球内容を記したうえで、「レッズは3回に(2本の)シングルヒットで彼を打ち負かした」と付け加え、敗北の要因となった4失点の集中打に苦言を呈している。

山本はこれで5勝2敗で、防御率は3.51。たった1イニングの乱調で痛打もされなかったが、悔しさが残る痛い敗戦だった。

構成●THE DIGEST編集部

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