初代とTRの中間 「5S」ならHS40m/sもイケる 「24 ベンタス ブルー」

ベンタスシリーズの最新作「24 ベンタスブルー」(撮影/有原裕晶)

2018年に誕生した「ベンタスシリーズ」は、PGAツアーをはじめ国内男子ツアーでも使用率No.1を獲得するなど一世を風靡。中でも使用者の多かったのが、「黒」(VENTUS BLACK ベンタスブラック)と「青」(VENTUS BLUEベンタスブルー)の2モデルだった。ことしは初代「青」の後続モデルとして「24 VENTUS BLUE(ニーヨン ベンタス ブルー)」が登場。性能についてはギアの知識が豊富なミタさんが解説。シャフトの特徴についてはアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)に試打してもらった。

進化した「ベロコアプラス」で先端はさらに硬くなった

鮮やかなブルーのカラーリングはゴルフ場でも映えそう(撮影/服部謙二郎)

【ミタさん】
発売前から話題となっていた「24 ベンタス ブルー」。カラーリングも鮮やかになりました。

【シオさん】
初代はダーク系のブルーでしたが、今作は明るいブルーになりましたね。

【コウタロウ】
爽やかですよね。さらにベンタスユーザーが増えそう。

【シオさん】
そもそも、「ベンタス」ってなぜこれほどプロやアスリートゴルファーの人気が高いのですか?

初代「ベンタスブルー」のフィーリングをベースに進化した「VeloCore Plus (ベロコアプラス)テクノロジー」(撮影/有原裕晶)

【ミタさん】
画期的だったのは、ベンタス独自の「ベロコアテクノロジー」です。70トンの超高弾性カーボンを積層し、先端部分のトルクを小さくしたことで安定感が大幅にアップしました。その結果、ミスヒット時でもヘッドがブレにくくなったことがプロゴルファーから評価されました。

【コウタロウ】
僕も最近のシャフトではいちばん驚きがありました。インパクトが力強い感覚がすごく気に入ったので、今は「VENTUS TR レッド」を使っています。

初代「ベンタス」からどの様に変わったのか興味津々(撮影/服部謙二郎)

【ミタさん】
「24 ベンタス ブルー」はさらに進化した「ベロコアプラステクノロジー」によって、先端部の剛性が高くなっています。よりヘッド側の安定感を感じられるシャフトのはず。

【コウタロウ】
それは期待できますね。

【シオさん】
でもコウタロウみたいにヘッドスピード(以下HS)50m/sがあればいいけど、僕のような一般のアマチュアゴルファーには「ベンタス ブルー」はハードなシャフトですよ。

【ミタさん】
初代と同じ中元調子。プロやアスリートが使うことを想定しているので、決してやさしいシャフトではありません。ただし、初代に比べると手元から中間部はしなりやすい剛性分布になっているので、少し打ちやすくなっていると思います。

【シオさん】
なるほど。それは打つのが楽しみです。

「5S」ならヘッドスピード40m/sでもイケるぞ

初代よりもインパクト時の挙動が安定している(コウタロウ)(撮影/服部謙二郎)

【コウタロウ】
私は6Xを打たせてもらいましたが、まず打球が強烈!HS50m/sの私が思いっきり叩いても左に行きません。これだけ先端が安定しているシャフトは今までなかったんじゃないですか。

【ミタさん】
初代と比較して、全体のしなり方はどうでしたか?

【コウタロウ】
先端側は間違いなく初代より硬くなっていますが、中間部分がしなりやすくなっているので、フィーリングとしてはちょっとマイルド。ハード系のシャフトだと全体が「棒」みたいなシャフトもありますが、「24 ベンタスブルー」はそっちのタイプではありません。ダウンスイングではしっかりパワーが溜まって、インパクトでしなり戻りを活かしてドーン!と飛ばせる感じです。

HS40m/sのシオさんは「5S」がフィット。球筋がとても安定していた(撮影/服部謙二郎)

【シオさん】
私は「5S」を打ちましたが、初代に比べるとハードな印象が軽減し、“打てるベンタス”だなと思いました。コウタロウが言ったように先端は硬いけど、HS40m/sの私でも手元から中間にかけてはしっかりしなってくれるので、タイミングがとりやすい。初代のときはタイミングを合わせられる感覚がなかったので、今作ならイケると思いました。

【ミタさん】
2人とも打球が安定していましたね。

フィーリングも上々でインパクトも強い。ベンタスユーザーがまた増えそうだ(撮影/有原裕晶)

【コウタロウ】
ちょっと振り遅れたかなと思った打球がほとんど曲がらなかった。先端の硬さはフェースが開いて当たったときに特に助けられると思いました。

【シオさん】
このシャフトに10K系(慣性モーメント10000g・cm2超え)のヘッドを組み合わせたら、無敵じゃないですか?

【ミタさん】
慣性モーメントが大きいヘッドも先端が硬いベンタスも、どちらもミスヒットしたときのブレにくさを追求しているので、その組み合わせは良いと思います。

【シオさん】
今回は私のエースドライバー「G430 SFT」で打ちましたが、高慣性モーメント系のドライバーとは相性バッチリでした。

組み合わせたヘッドは、ピンG430LST9度(コウタロウ)とG430SFT10.5度(シオさん)(撮影/服部謙二郎)

【ミタさん】
初代に比べると明らかに打ちやすくなっています。2020年発売の「VENTUS TR BLUE(ベンタス ティーアール ブルー)」ほど手元や中間部のマイルドさはありません。カテゴリーとしては初代「ベンタスブルー」と「ベンタスTRブルー」の中間。決して楽に高弾道ボールが打てるドライバーではないので、言わば"プチマイルド系”。ただし、その2モデルよりも先端部分は硬くなっているのでオフセンターヒット時の挙動はさらに安定しています。

【コウタロウ】
僕が使っている「ベンタス TR レッド」と比べると弾道は少し低めですが、ボールスピードは速かったです。飛距離も出そうですね。

■ 試打データ

シオさんは5S、コウタロウは6Xでの平均データ

■ 試打したシャフトのスペック

50g(R/S/X)、60g(S/X)、70g(S/X)のラインアップ(撮影/有原裕晶)

藤倉コンポジット 24 VENTUS BLUE

●モデル/重量/トルク
5S/58.5g/3.5、5X/59.0g/3.3、6S/65.5g/3.3、6X/66.0g/3.1

●調子:中元

■ マイクラブ情報

シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S

コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X

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