滋賀のお寺の伝統行事「鬼走り」って何だろう 児童がやりを手に体験「力強く突けた」

藤支住職(中央)から鬼の所作を学ぶ児童(滋賀県湖南市・長寿寺)

 滋賀県湖南市の長寿寺で20日、石部南小6年40人が寺の伝統行事「鬼走り」を体験し、仏教や地域の歴史へ理解を深めた。

 「鬼走り」は、村内安全を願う「修正会(しゅしょうえ)」と厄よけを祈る「追儺(ついな)」を兼ねた冬の法要で、かつては成人式の意味合いもあったという。寺は同小の校区内にあり、地元の伝統に触れるため毎年体験している。

 20日にあった体験で児童たちは、同寺本堂で太鼓のたたき方や鐘の打ち方を地域住民から学んだり、鬼の所作を藤支良道住職から指導を受けたりした。続いて本番さながらに、にぎやかな太鼓と鐘の音の中、赤鬼と青鬼に扮(ふん)した2人が太刀ややりを振り回した。

 赤鬼役の児童(11)は「貴重な体験だった。緊張で動きが固くなかったか友達に聞いてみたい」、青鬼役の児童(11)は「衣装が重くて動きにくかったが、やりを突く時は力強くできた」と話していた。

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