域外国は南中国海問題で緊張を高めてはならない カンボジア専門家

域外国は南中国海問題で緊張を高めてはならない カンボジア専門家

カンボジア王立アカデミー国際関係研究所のキン・ペア事務局長。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京5月27日】カンボジア王立アカデミー国際関係研究所のキン・ペア事務局長はこのほど、「域外国は南中国海問題で緊張を高めてはならない」と題する文章を新華社に寄稿した。要旨は次の通り。

 南中国海は依然として複雑な問題であり、単純な解決策はない。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国にはさまざまな考え方があるが、集団として地域の安定を優先させる必要がある。

 緊張を高める可能性のある対外的な接触も避けるべきである。これは外交交渉においても優先される。域外国はこの問題に干渉したり、無責任な発言や挑発を行ったり、直接的、間接的に関与してはならない。

 南中国海問題はASEANと中国の枠組みの下、外交交渉を通じて平和的に解決できる。

 2023年9月に開かれた第26回ASEAN・中国首脳会議で、双方は「実効的で実質的な南中国海行動規範の早期妥結を加速させるためのガイドライン」を採択した。ガイドラインは協定締結のタイムスケジュールや主要課題のリストなど交渉のロードマップを定めている。

 しかし、フィリピンは南中国海問題で米国や日本といった域外国と交渉してきた。彼らはいかなる平和的解決も望まず、建設的な役割も果たしていない。彼らは問題をさらに大きく、さらに悪化させようとしている。

 米国とその同盟国は、中国の台頭を阻止し、中国を封じ込めて包囲しようとしている。冷戦の再来のようだ。

 米国が主導し、日本とフィリピンが参加した最近の軍事演習は反復的で危険に思える。彼らはこのような挑発的、軍事的な活動を行うべきでない。

域外国は南中国海問題で緊張を高めてはならない カンボジア専門家

17日、黄岩島海域で訓練を行う中国海警局の3502船隊。(ドローンから、南中国海=新華社記者/王毓国)

 この問題の直接的当事者は、平和的手段で争いを解決し続けなければならない。関係当事者は「南中国海各国行動宣言」を完全に実行するためにASEAN・中国メカニズムを引き続き利用し、南中国海行動規範の実現と問題の解決に向けて協力すべきである。

 南中国海問題は関係する全ての当事者が真剣な対話と協議を続ける限り、平和的に解決でき、非軍事的手段で対処できる。

 中国とASEAN、中国とASEAN加盟国間の全般的に友好で、緊密さを増す関係を南中国海問題によって曇らせてはならない。

 われわれは南中国海の平和と安全、安定を維持するとともに、中国とASEANの良好な協力関係と互恵的な全面的戦略パートナーシップが地域全体に生み出す巨大な利益を維持することに注力する必要がある。

 われわれは戦争に勝つ能力を強化するのではなく、平和に備える必要がある。平和を勝ち取る能力を強化する必要がある。平和は経済発展にとって非常に重要であり、従ってわれわれは平和を求める。

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