クラブパスの向きとフェースの向きを認識しておくことでできることとは?【ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑/奥嶋誠昭】

ティーアップするかしないかの注意点

最下点の手前と先とでは打球の質が変わる

アッパーで打つならクラブパスは左を向く

ヘッドの軌道の最下点の手前で打つか、先で打つか、という問題は、実はクラブパスにも関係し、打球の曲がり方を決めているというメカニズムは106ページから説明しました。アッパーブローで打つ場合、クラブパスは必然的にアウトサイド・インになりやすくなるわけです。ティーアップしたボールは、実際にはドライバーも含めて、アッパーブローでもダウンブローでも打てるわけです。どちらかを選んだならば、単にダウンブローで打つ、アッパーブローで打つという意識だけでなく、最下点とボールの位置の違いと、それによるクラブパスの向きとフェースの向きを認識しておくことで、打ち出し方向やスピン軸についてあらかじめ計算して狙いをつけられます。「アイアンはダウンブロー、ドライバーはアッパーブロー」と単純化すると、「じゃあ、フェアウェイウッドはどうなのか?」という質問がよくありますが、地面のボールはアイアンと同じ、ティーアップしたときはドライバーと同じと考えることになります。

パー3のティーショットなど、アイアンでティーアップして打つ場合、ダウンブローで当てるのか、アッパーブローで当てるのかで球質や距離が変わる。状況に応じて選ぶことができることを知っておこう。

出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭

【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。

【書誌情報】
『ゴルフ 当たる! 飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者:奥嶋誠昭

スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。 その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。

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