運動会で車いすリレー! 大村・三城小 全国初、「インクルーシブ教育」の一環 長崎

車いすリレーで声をかけ合いながらバトンタッチする児童=大村市立三城小

 障害にかかわらず一緒に学ぶ「インクルーシブ教育」への理解を広めようと、26日にあった長崎県大村市立三城小(同市東三城町)の運動会で6年生100人が車いすリレーに挑戦した。日本財団パラスポーツサポートセンターの提案を受け全国で初めて開催した。
 同センターは運動会にパラスポーツを導入する「インクルーシブ運動会」に取り組んでいる。パラ競技を通じた教育活動を実施してきた同市と連携し、車いすリレーが実現した。
 児童らは同センターが準備した競技用車いすに乗り1人15メートル走行。車いすに乗る走者を交代しながら全員で速さを競った。3回の練習を経て迎えた本番。慣れない操作に戸惑いながら、バトンタッチの際に前の走者が車いすを支えてあげたり、「頑張れ」と声をかけたりとチームで助け合いながら完走した。
 競技を終え、佐坂希海さんは「失敗しても『大丈夫だよ』と声をかけ合えた。100点満点」と笑顔。末吉亜咲実さんは「車いすは思った以上に大変で真っすぐ進むのも難しかった」、貞清結衣さんは「車いすに乗って困っている人を見たらちょっとでもいいから助けたい」と語った。
 見学した園田裕史市長は障害者福祉に尽力した大村の偉人、石井筆子に触れながら「運動会は保護者や地域の方も注目する一大イベント。そこでインクルーシブ種目を導入することが理解や普及につながると感じた」と話した。

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