ギャンブル依存症を知って 当事者らが体験談 小山でセミナー

体験談を語る宇都宮さん=26日午後2時40分、小山市城東1丁目

 ギャンブル依存症への理解を深めてもらおうと、全国ギャンブル依存症家族の会栃木は26日、小山市城東1丁目の小山商工会議所でセミナーを開いた。当事者や家族らが依存症の怖さや回復についての体験談を語り、約100人が耳を傾けた。

 14~20日の「ギャンブル等依存症問題啓発週間」に合わせて企画した。

 セミナーでは特定NPO法人ASK(東京都)の認定依存症予防教育アドバイザーで、鹿沼病院の駒橋徹(こまはしとおる)院長が依存症の対応について解説。依存症は本人が認めづらい「否認の病」とし「家族が対応を変えることで治療に結びつけることが重要」と訴えた。

 続いて、当事者で公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会当事者支援部の宇都宮駿(うつのみやしゅん)さん(34)が17歳でパチンコを始め、14年間のめり込み「負けたお金を取り返さなければという思いだった」と当時の苦しみを振り返った。

 結婚や子育てを機に辞められると思っていたができず、家族の会とつながり回復施設での治療を経て「ギャンブル以外のことが楽しいと思えるようになり社会復帰できた」と語った。

 受講した秋山亜利沙(あきやまありさ)さん(27)は「夫の事で悩んでいたが、セミナーを聞いて希望を見いだすことができた」と話した。

© 株式会社下野新聞社