【日経平均株価】米FRBの利下げ転換が遠のき、上値の重い展開か

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日経平均は米株安などを受けて売られる

2024年5月24日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比457円11銭安の3万8646円11銭となりました。23日の米株式市場でダウ工業株30種平均が前日比605ドル安と大幅安となったことから、東京市場でも売りが先行しました。下げ幅は一時700円を超えました。ただし、売り一巡後は買い戻しも出て下げ幅を縮小しました。

今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。米株安の要因は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げが先送りになるとの見方が強まったことです。23日に発表された週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を下回りました。一方で、S&Pグローバルが同日発表した5月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値は市場予想を上回りました。これらから米経済が堅調でインフレ圧力が続くとの見方が広がりました。

24日の米株式市場でダウ平均は前日比4ドル高の3万9069ドルで終えています。小幅な反発ですが、週間では934ドル下落しています。1週間の下げ幅としては今年最大です。

米半導体大手のエヌビディアが22日、2024年2~4月期の決算を発表しました。市場予想を大幅に上回る決算や業績見通しであったことから急騰しました。同銘柄はダウ平均の構成銘柄ではありませんが、ダウ平均も連れ高となることが期待されました。しかし、エヌビディアだけが一人勝ちといった状況で、他の半導体関連銘柄は買われませんでした。日本株も週初から上値の重い展開になることが予想されます。

26日には静岡県知事選の投開票が行われました。立憲民主党などが推薦した鈴木康友氏が当選し、自民党推薦候補の大村慎一氏は破れました。岸田文雄政権への痛手になりますが、相場への影響は小さいと考えらえられます。

27日(月)は、米市場はメモリアルデーで休場です。31日(金)には、財務省が4月26日~5月29日の為替介入実績を発表します。31日には4月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表されます。インフレ傾向になるとの結果が出ると売られる展開となります。

31日(金)には、財務省が4月26日~5月29日の為替介入実績を発表します。

25日線、75日線付近でもみ合う動きが続く

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週はローソク足の実体が25日移動平均線、75日移動平均線をともに回復したことからここからの上昇に期待されるところでした。実際には、20日(月)は陽線となったものの、その後は陰線となり75日線を割ってしまいます。週末には75日線を回復する場面もありましたが、結局、窓をあけて下落すると75日線も下回りました。

今後の展開はどうなるでしょうか。4万円台を前に上値の重い展開が続いています。ただし、下値も切り上げていることからチャートの形は悪くはありません。方向性を見極めるためには、まずは直近の戻り高値である5月20日の高値(3万9437円)を回復したいところ。その後、4万円を突破するようであれば目線を上に持つことができます。

このまま75日線を回復できず、さらに25日線が下降して75日線との距離を開けるようだと注意が必要です。4月19日の安値(3万6733円)あたりまでは押し目買い狙いとなりますが、ここを割り込んだ場合、心理的節目となる3万6000円、さらには200日線のある3万5000円あたりまでの下落もあり得ます。まずは今週、75日線を回復できるかどうか確認したいところです。

まずは直近の戻り高値である5月20日の高値(3万9437円)を回復したいところ。

参考資料

  • 日本経済新聞 日経平均株価

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