大事故のペレスが怒り「ケビンは接触が避けられなくても引かない。とても危険な行為」調査を行わない審議委員にも不満

 2024年F1モナコGP決勝で、レッドブルのセルジオ・ペレスは、1周目の多重クラッシュによりリタイアという結果に終わった。

 16番グリッドのペレスは、ボー・リバージュを駆け上がる際に、ケビン・マグヌッセン(ハース)とニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の前を走っていた。マグヌッセンがペレスを追い抜こうとして右側の隙間に飛び込んだ際に、2台が接触。この混乱にヒュルケンベルグも巻き込まれ、3台が大きなダメージを負い、その場でリタイアとなった。幸いドライバーたちに大きなけがはなかった。レースはこれが原因で赤旗中断となっている。

 このインシデントについて調査は行われず、誰にもペナルティは科されなかった。

2024年F1第8戦F1モナコGP クラッシュ後のセルジオ・ペレス(レッドブル)

■セルジオ・ペレス(オラクル・レッドブル・レーシング)
決勝=リタイア(0周/78周)
16番グリッド/タイヤ:ハード

2024年F1第8戦F1モナコGP クラッシュ後のセルジオ・ペレス(レッドブル)のマシン

 スタート直後にポジションをひとつ落とした後、ターン1を立ち上がった。ミラーでケビンは見えなかった。僕のオンボード映像を見れば分かるとおり、その後、クラッシュが起きた。

 あの動きは不必要なものだったと思う。僕たちのマシンは大きなダメージを負ったし、極めて危険なインシデントだった。

 あのインシデントについて調査されなかったことにがっかりした。大規模なクラッシュで、僕のマシンは完全に破壊されたというのにだ。

 レースのあの段階で、しかもグリッド位置からしても、完全に不必要な行動だったと思う。僕たちは今日、もっと良いグリッドポジションからスタートすべきだった。そうしていれば、こういうインシデントに巻き込まれなかっただろう。チームも僕も、がっかりしているが、とにかく、あれは不必要な行為だった。

 あれがマシンに大規模なダメージを与えた。僕自身は、アクシデントの後、無事だった。肘に小さな擦り傷を負っただけだ。F1における安全性がとても大きな進歩を遂げていることに感謝している。

 僕たちにとって良くない週末だった。すべてのことに悔しさを感じる。でも、カナダでマシンは問題ないと信じているし、次はもっと強くなって戻ってきたい。

(レース後にメディアに対して語り)僕のオンボード映像を見ると、ケビンのマシンは全く映っていない。近くにも横にも見えず、ただ、ウォールがどんどん近づいているのが分かる。(マグヌッセンが)全開で走っているなかで、そこから抜け出す方法は、僕のマシンと当たるか、バリアに当たるかだけだった。

 どちらのマシンにとってもスペースは全くなかった。彼はそれに気付くべきだった。後ろを走っている場合は、何かとぶつかる前に引くべきだと気付かなければならないんだ。

 ダメージの大きさと、このダメージの危険性を考えると、(このインシデントが調査されなかったことに)とてもびっくりしている。本当に驚きだ。

『1周目に積極的にレースをさせる』という考え方は分かるけれど、僕に接触すると分かっていながら全開で走り続けるというのは、より危険なドライビングだったと思う。あれは危険なドライビングだ。

 彼(マグヌッセン)が物事がどういう結果をもたらすのかについてちゃんと考えているとは、僕には思えない。ドライバーには時には、「この先、接触は避けられないから、引いた方がいい」と素早く判断すべきときがある。でも、彼は、接触の方を選ぶんだ。

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