初年度に好結果続くシボレー・コルベットZ06 GT3.R、2025年はカスタマー拡大へ。欧州、アジアにも関心

 プログラムマネージャーのクリスティ・バグネによると、ゼネラルモーターズとプラット・ミラーは、シボレー・コルベットZ06 GT3.Rの『ホモロゲーションから最初の2年間に20台のGT3マシンを生産する』というFIAの最低要件を満たす作業は「順調に進んでいる」という。さらに最大12台のGT3マシンを生産することを予期しており、さらなるカスタマー車両は来年利用可能になる予定だという。

 シボレーは初のGT3マシンの慎重な展開を進めており、初年度の2024年はファクトリーサポートのコルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツの2台(IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTDプロクラス)に加え、AWA(IMSA・GTDクラス)、TFスポーツ(WEC世界耐久選手権)、DXDTレーシング(GTワールドチャレンジ・アメリカ)に分散して計6台のカスタマーカーを用意し、参戦している。

 バグネは、これまでに8台の車が納入されたことを認めた。

「我々の意図は常に、最初の2年間で20台程度を達成することだった」と彼女はSportscar365に語った。

「その後、そこから将来の構築率がどのようになるかを評価していく」

WEC開幕戦カタールではLMGT3クラスのポールポジションを獲得したTFスポーツの81号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R

 彼女は以前、将来的にこの車両をエントリーさせたいカテゴリーについて、「我々はニュルブルクリンク(24時間)にも出場できるだろうし、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパやインターコンチネンタルGTチャレンジにも興味があるし、ヨーロピアンおよびアジアン・ル・マン・シリーズは、ル・マン(24時間)に追加のマシンをエントリーさせる素晴らしい機会を提供してくれるものになるのは明らかだ。したがって、これらのシリーズはすべて検討対象に含まれていると言える」と述べていた。

 引き続き特定のシリーズへの配分目標については言及していないものの、バグネは2025年に備えて、一部のチームが今年末までに新車をデビューさせる可能性があると示唆した。

「来年に向けて調子を上げているチームや、おそらく来年に向けて別のマシンを準備している既存のチームによって、今年末にもいくつかのデビューが見られるかもしれない」とバグネは語った。

「それらの機会がどのようなものになるかを、我々はまだ評価しているところだ」

 バグネは、ラグナ・セカで開催されたウェザーテック選手権レースでのGTDプロクラス表彰台フィニッシュや、サーキット・オブ・ジ・アメリカズでのGTワールドチャレンジ・アメリカでのZ06 GT3.Rの初優勝など、同車の最近の一連の成功が、世界中で継続的な関心を集めるのに役立っていると述べた。

「このプラットフォームが成果を上げ、レースで競争力のあるペースを示しているのを、彼ら(将来の潜在的なカスタマー)は目にしている」と彼女は語った。

「現在、ロレックス(IMSA第1戦デイトナ24時間)でのデビュー以来、信頼性が向上し、パフォーマンスも向上しているという点で、このクルマが歩んできた軌跡が人々に理解され始めている」

「人々は間違いなくそれを見て、将来このクルマを走らせることに興味を持ち始めている」

IMSAラグナセカ戦ではGTDプロクラスの表彰台に登壇したシボレー・コルベットZ06 GT3.R

 バグネは、来年ヨーロッパのカスタマー・ベースが増加すれば、ヨーロッパにおけるTFスポーツとのパーツサポートに関する現在の「オーダーメイド・ソリューション」を、専用倉庫の導入へと拡張する可能性があると述べている。

「我々は、(欧州からの)注文どおりに、米国からパーツを出荷できないことは常に把握していた」と彼女は言った。

「このようなリードタイムは、この市場においては通用しない。そのため、我々は彼ら(TF)とともに、かなりオーダーメイドのソリューションを用意している」

「ヨーロッパにさらに多くのチームを展開する場合は、現在ある別の部品流通ソリューションを導入する必要がある」

 コルベット・カスタマーレーシングは現在、ウェザーテック選手権GTワールドチャレンジ・アメリカのほとんどのイベントに、専用のパーツ・トラックを配備しており、これは来年も継続される予定だ。

DXDTレーシングによりGTワールドチャレンジ・アメリカにエントリーしているシボレー・コルベットZ06 GT3.R

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