F1第8戦、ルクレールがついに悲願の母国優勝、タイヤをマネージメントしてポールトゥウイン【モナコGP】

2024年5月26日(現地時間)、F1第8戦モナコGPがモンテカルロの市街地コースで開催され、フェラーリのシャルル・ルクレールが優勝、2位にはマクラーレンのオスカー・ピアストリ、3位にはフェラーリのカルロス・サインツが入った。8番グリッドからスタートした角田裕毅は8位でフニッシュ、4戦連続入賞となった。レッドブルのマックス・フェルスタッペンは予選で失敗し6番手スタートとなり、抜けないコースで6位に終わった。

究極のタイヤ我慢合戦、ルクレールが地元勝利

これまで何度となくチャンスがありながら、ホームGPで一度も表彰台に上がれなかったルクレールに、ついに歓喜の瞬間が訪れた。

表彰式での、モナコ公国のアルベール太公とシャルル・ルクレール。レース展開は単調だったが、感動的で特別なグランプリとなった。
決勝レースは快晴の下、気温26度、路面温度45度というコンディションでスタート。

オープニングラップで起きたレッドブルのセルジオ・ペレス、ハースのケビン・マグヌッセン&ニコ・ヒュルケンベルグのマルチクラッシュによりレースは赤旗中断。再スタートを前にウイリアムズのローガン・サージェント以外の全ドライバーがタイヤ交換して2種類のタイヤ使用義務を済ませたことにより、レースの様相は大きく変わった。

スタートタイヤにミディアムを選んでいたルクレール、ピアストリ、サインツ、ランド・ノリス(マクラーレン)の予選トップ4のドライバーは再スタートではハードタイヤを選び、残り76周をタイヤ無交換でいく戦略を選択。

一方、スタートタイヤにハードをチョイスして一発逆転を狙っていた予選5〜7番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は赤旗で目論見が外れ、再スタートではミディアムを選択せざるを得ないという苦しい状況となった。

タイヤを温存できていたルクーレルが残り10周でスパート

そしてスタンディングスタートで再開されたレースは、首位のルクレールがフリー走行でのレースシュミレーションより5秒も遅いペースで周回するという予想以上のタイヤマネージメント合戦に。トラブルやドライビングミスがない限りコース上でのオーバーテイクが事実上不可能なモナコでは順位は動きようがなく、終盤まで膠着状態が続く。

レースはスタート直後の赤旗中断で、事実上タイヤ無交換となった。フェルスタッペン、ハミルトンが逆転を狙ってタイヤを交換するも、順位は変わらなかった。

ようやく52周目にハミルトン、53周目にはフェルスタッペンがハードからミディアムに交換するも状況は変わらず。結局終始スローペースながら先頭を走ってクリーンエアでハードタイヤを温存できていたルクーレルが残り10周でスパートし、ピアストリ、サインツ、ノリスを突き放し、今シーズン初勝利を飾った。

ルクレールの優勝は2022年のオーストラリア以来となる自身6勝目。モナコ出身ドライバーのモナコGP優勝は1931年のルイ・シロン以来、1950年に開始されたF1世界選手権戦としてのモナコでは初の地元ドライバーの優勝となった。

フィニッシュ後のルクレールは「ここまで僕を支えてくれた父親に感謝したい。小さい頃からふたりでこのコースをF1で走って勝つことを夢見てきた。今の感情を言葉で言い表すことはできないよ」と喜びを噛み締めた。表彰式では感極まったモナコ公国のアルベール太公が、シャンペンシャワーに参加するという異例のシーンもあった。

これでルクレールはドライバーズランキングトップのフェルスタッペンとの差を31点差に縮め、フェラーリはコンストラクターズ首位のレッドブルとの差を24点にまで縮めている。

次戦第9戦カナダGPは、モントリオール郊外のジル・ビルヌーブ・サーキットを舞台に、6月7日に開幕、決勝レースは6月9日に開催される。(文:新村いつき)

2024年F1第8戦モナコGPリザルト

2024年F1第8戦モナコGP決勝 結果

1位 16 C.ルクレール(フェラーリ)78周
2位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+7.152s
3位 55 C.サインツ(フェラーリ )+7.585s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+8.650s
5位 63 G.ラッセル(メルセデス)+13.309s
6位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)+13.853s
7位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+14.908s
8位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBP)+1周
9位 23 A.アルボン(ウイリアムズ・メルセデス+1周
10位10 P.ガスリー (アルピーヌ・ルノー)+1周
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12位 3 D.リカルド(RB・ホンダRBPT) +2周
リタイア 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)
ファステストラップ 44 L.ハミルトン(メルセデス)

2024年F1ドライバーズランキング(第8戦終了時)

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 169
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)138
3位 4 L.ノリス(マクラーレン)113
4位 55 C.サインツ(フェラーリ)108
5位 11 S.ペレス(レッドブル)107
6位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)71
7位 63 G.ラッセル(メルセデス)54
8位 44 L.ハミルトン(メルセデス)42
9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン)33
10位 22 角田裕毅(RB)19

2024年F1コンストラクターズランキング(第8戦終了時)

1位 レッドブル 276
2位 フェラーリ 252
3位 マクラーレン 184
4位 メルセデス 96
5位 アストンマーティン 44
6位 RB 24

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