初オーディションは『ゆるゆり』だった―上坂すみれ、劇場アニメ『大室家』後編出演で“めぐみ×撫子愛”伝える【インタビュー】

上坂すみれ

一迅社「百合姫」連載漫画が原作の劇場中編アニメーション『大室家』2部作品について、本年2月に公開された第2作目『大室家 dear friends』が6月21日(金)に劇場公開されるを前に、本作にキャスト出演する上坂すみれさんのインタビューが公開となった。

【画像】上坂さん演じるめぐみはどんな子?なでなでされている…本編場面カット(全2枚)

第1作目『大室家 dear sisters』に続く本作でも上坂さんはのメインキャラクター・大室撫子の同級生、園川めぐみを演じており、『大室家』に出演が決まった際の感想や、自身の演じた園川めぐみについて、撫子の恋人予想についても語られている。

初のオーディションが『ゆるゆり』10年以上越しに関連作で出演

――『大室家』への出演が決まったときの思いをお聞かせください。

私は初めて受けた声優のオーディションが『ゆるゆり』だったんです。赤座あかりちゃん役を受けたんですが、オーディションってこんな感じなんだ、緊張するなって思ったのを覚えていますね。それから10年以上声優を続けられて、『大室家』のキャストに加わることができてすごくご縁を感じました。デビュー当時だったら多分めぐみみたいなしっかり者のキャラクターって難しくてできなかったと思うので、今めぐみを演じさせていただけたことは運命的に感じましたね。

――園川めぐみというキャラクターをどう作っていきましたか?

4人のバランスを見つつ、あまりキャピキャピしすぎないトーンで、等身大のリアルな高校生を意識しました。バイトしている高校生ってしっかり者なイメージがあるので、めぐみって自分がいじられキャラであることもちゃんと自覚している、大人な子なんじゃないかなと思いました。撫子や美穂に容赦なくいじられても、「ちょっと〜」ぐらいの感じで受け止められる。めぐみって意外とさっぱりした子なんですよね。

――『大室家 dear friends』のアフレコを終えたばかりですが、いかがでしたか。

前作『大室家 dear sisters』は大室三姉妹がメインでしたが、今回は撫子の学校生活や電話での恋人とのやりとりなどが印象的に描かれていて、グッと大人っぽいですよね。なもり先生の可愛らしい絵柄に、ところどころしっかりとした恋愛の要素があって、ときめきの度数が高い。4人の友情もあるので、高校生組の魅力が伝わる内容だと思いました。

――めぐみと撫子の関係をどのように考えましたか?

めぐみにとって撫子は、友達以上の存在ではあると思うんです。自分にはないものをいっぱい持っていて、すごいな、敵わないなという尊敬や憧れみたいな思いはきっとある。それは無意識でも恋愛感情かもしれないし、友達としての親愛かもしれない。撫子ってミステリアスなところが魅力だし、ふいにドキッとさせてくるチョイ悪彼女ですよね。あまり表情には出なくてもみんなのことを俯瞰で見ている優しい子でもあると思うので、めぐみはその優しさを受け止めて、毎日撫子に会いたいと思っていそう…なんて考えていましたね。

“チョイ悪彼女”感じる撫子と姉妹にも釘付け

――この中に撫子の恋人がいるかもしれないという状況ですが、上坂さんは誰だと思いますか?

台本を読む限り、私は藍の可能性があるかもと思いました。撫子と藍の会話って、極端に主語が少ないんですよね。友達だったらもうちょっと説明がいるだろうから、言葉が少なくても通じ合える関係なのかもって。美穂は、藍との関係に気づいていて、わざとモーションをかけたりしてからかいつつも、2人のことは応援しているんじゃないかなと。めぐみは、「バイト代が入って嬉しい。ケーキ食べに行けて嬉しい」というだけのピュアな子であってほしいというのが、一読者としての私の願望です(笑)。

大人になって4人で飲み会をして、「え〜っ! そうだったの!?」とめぐみだけが驚くみたいな。これでもし恋人がめぐみだったら、私はなもり先生を一生恐れて生きていかねばなりません。ただ、接客業のバイトをしているから体裁を取り繕うのは得意かもしれないですよね。迷宮入りしてきました。やっぱり私にはわかりません!

――めぐみ以外で気になるキャラクターはいますか。

櫻子ってめちゃくちゃ可愛いなと思います。『大室家』に欠かせない存在だし、おバカだけど面白い。撫子の誘導にまんまと引っかかるし、でも姉妹とはすごく仲がいい。言動が小学生みたいだし、天才で天使だなと思います。あのまま大きくなってほしいです。

――高校生4人で歌ったエンディングテーマ「パッチワーク・エトセトラ!」を歌ってみていかがでしたか。

ちょっとハイテンションなガールズトークといった感じの、とてもにぎやかな楽曲です。高校生組なのでしっとりした感じになるのかなと思っていたら、楽しい曲で締めくくれるということで、やはり『大室家』らしいなと思いました。めぐみが歌うのにぴったりなテイストなので、めぐみとカラオケに行ったらこんな感じかなと思いながら歌いました。

――上坂さんは『大室家』という作品の魅力をどんなところに感じますか。

三姉妹それぞれに大切な友達がいて、友情や恋もあって。それぞれに大切な世界がある優しい世界だなと思います。家に帰れば姉妹がいて、学校に行けば大好きな友達がいる。そんな日常を映画館で観ると、お疲れの方々なら全身に染み渡るのではないでしょうか。

――『大室家 dear friends』を楽しみにしてくださっている方々にメッセージをお願いします。

ついに今回、高校生チームにスポットが当たります。撫子とめぐみ、藍、美穂の日常がとても丁寧に描かれます。アフレコ段階で見られる映像でもみんなとても可愛いですし、めぐみは今回もちゃんとギャグ顔があってこれまた可愛いです。みなさんそれぞれ推しキャラがいると思いますので、何度でも楽しんで、女子高生になった気分になっていただければと思います。青春しましょう!

劇場版『大室家』シリーズ作品情報

中学1年生の大室櫻子は、学校でも家でも元気いっぱい。三姉妹の中心として姉の撫子、妹の花子に呆れられながらも楽しい毎日を過ごしている。今日は学校で向日葵に宿題を手伝ってもらい意気揚々と帰宅した櫻子。
しかし家は静まり返っており誰もいない様子。実は先に帰っていた花子はソファの影で息をひそめている。花子には絶対に櫻子に見つかりたくない理由があったが、あっさり櫻子に見つかってしまい、大笑いされてしまう。花子の顔はマジックペンがついておりヒゲのようになっていたのだ。
遠慮なく笑う櫻子にイラッとする花子だったが、さらに怒り顔なのが姉の撫子。食べるのを楽しみに取っておいたアイスがなくなっているという。アイスを食べた犯人として撫子と花子に疑われ、一気に形勢不利になった櫻子。三姉妹は2対1になりがちだ。

【配信媒体】劇場中編アニメーション(各約40分予定)
【メインキャスト】大室櫻子:加藤英美里/大室撫子:斎藤千和/大室花子:日高里菜/小川こころ:倉知玲鳳/相馬未来:伊藤彩沙/高崎みさき:古賀葵/古谷向日葵:三森すずこ
【原作】なもり(コミック百合姫/一迅社刊)
【アニメーション制作】パッショーネ×スタジオリングス

©なもり・一迅社/「大室家」製作委員会

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