横浜駅の隣の京急本線「神奈川駅」には何がある?【住みたい街の隣も住みよい街だ】

住みたい街としても人気の「横浜」。巨大な横浜駅の隣に、神奈川県の「神奈川」を冠した駅があるのをご存じでしょうか。私は知りませんでした……!

周辺に商業施設が集まり、シーバスの乗り場も隣接する横浜。説明するまでもなくターミナル駅として有名だし、東東京に住む私もたまに使っているけど、よく考えたら隣の駅についてはぜんぜん知らない……。

ということで、【住みたい街の隣も住みよい街だ】第1回は横浜駅の隣駅「京急本線 神奈川駅」周辺を散策します!

【住みたい街の隣も住みよい街だ】とは

住みたい街ランキング常連の人気の駅。その隣の駅も、実は住みよい街なのではないか——?
いつか住むかもしれないあなたのために、灯台もと暗しの面白さを探して散歩してみました!

清水の舞台をイメージした神奈川駅

コンパクトな駅。ホームの幅が狭いので気をつけて!

横浜駅はたくさんの路線が通っているので「隣」もたくさん。
その中で今回は、京急本線の隣駅である神奈川駅をチョイス。

駅の外観は、東海道五十三次の3番目の宿場である神奈川宿があったことから、京都にある清水の舞台をイメージしているとのこと。関東の駅百選にも認定されている。

清水の舞台ってこんな感じだったっけ……?と何度も画像検索してしまった。

「神奈川宿 歴史の道」をたどれる宮前商店街

駅からすぐのところにある宮前商店街。旧東海道だ。

駅近くの商店街は、中華料理店やカフェなどを見つけたものの正直いってあまりお店はなく、閑静な通り。

ただ、このあたりのルーツを楽しくたどれるよう「神奈川宿 歴史の道」というガイドパネルがところどころに置かれ、歴史好きにはいい散歩道となっていた。

商店街から少し入ったところにある立派な洲崎大神。木漏れ日が当たり、より荘厳に見えた。癒やされる。

このあたりはかつて物資の経由地として栄えていて、横浜に取って代わり開港される予定の場所だったそうだ。

商店街を歩くだけでも、フランス公使館になっていた甚行寺や普門寺、そしてこの辺いったいの氏神の洲崎大神が見つかって散歩は楽しい。

地元の方によると、洲崎大神で毎年行われるお祭りの時は商店街いっぱいに屋台が並び大にぎわいになるそうだ。

地元の方から情報ゲット!

地元の方のおすすめの横浜市中央卸売市場へ!

商店街を抜けるとすぐ、高速道路が走る大きな通りに出る。
そこから横浜駅方面を見ると高層ビルが乱立する景色。

この唐突な感じ、一気に距離感がバグる!

東海道を行き来していた江戸時代の人たちに見せて驚かせたい。

高速道路の下をくぐり、そこからはひたすら海方面に向かって広い車道沿いを歩いていく。
道中には古くからある商店がところどころ並んでいた。

古い商店の後ろには、高いビルがおしせまるように立ち並ぶ。
市場を移動するときに使うだろうターレー発見! それより後ろのビルの文字が目立つけども。

ビルに大胆に書かれた「あっちかも」の文字。
いたずら書き? あっちってどっち⁉

あとで判明したのだけど、これは3年に一度開催される現代アートの祭典「横浜トリエンナーレ」関連のアート作品の1つだった。

2024年は6月9日までこのヨコハマポートサイドと呼ばれる辺りの店舗や公共空間など18カ所にアート作品が展示されているそう。

アート作品を見つけながらの散歩も楽しめるんだな。

「良かったら使って下さい」と置かれた換気扇もアートに見えちゃう。
洲崎大神で出会った地元の方におすすめしてもらった横浜市卸売市場に到着。こちらの建物は青果部で、道路の反対側には水産物部があり敷地はとても広い!

この日はゴールデンウイーク中だからか横浜市卸売市場は閉まっていて閑散としていたけれど、市場の規模が大きいし雰囲気を感じるだけで楽しい。
ふだんは大にぎわいなんだろうなあ。

道路を反対側にわたり水産物部のあたりを歩いてみると、控えめな感じで「営業中」の看板が。

魚市場で最高の食堂を発見!

卸売市場は休みだけど食堂が開いてた!(※普段は市場が休みだと休業みたいなので行く時は要確認)。これは行かねばなるまい。
横浜魚市場卸協同組合 厚生食堂さん。海鮮丼1200円〜、うなぎ丼1500円などめちゃくちゃお得なラインナップ!

ここ、一般の人でも本当に入っていいの?とおそるおそる食堂をのぞくと、明らかに関係者じゃなさそうな若いカップルがいてホッ。

海鮮丼と迷ったあげく、まぐろのテールを使った「白のガーリックステーキ定食」を頼んだ。

白のガーリックステーキ定食1500円(単品は1200円)。小鉢5個ついてくる定食が断然おすすめ!

食堂のオーダーするところの一角に、やたら某グルメ雑誌が置いてあるのが気になり店主に聞いてみると、それに載っているレシピを実際に作って出しているそう。
この定食の小鉢たちもそうだという。

この小鉢が見事に全部おいしくて、それだけでご飯が進む進む。
まぐろもほろほろになるまで煮込まれておりおいしく、そして巨大なため食べ応えがすごかった。

ちなみにそばやうどん、ラーメン、カレーなどメニューの幅は広く、店主さんをリスペクトせずにはいられない。
開店時間は早朝の3時半~15時(ラストオーダーは14時半)と、市場の食堂らしい時間帯だ。

横浜でオールしちゃったあとの締めに行く、というのもアリかもしれない。

少し離れたところから眺める横浜中心地の景色

卸売市場からもう少し歩けば海だ。

だが先に目に留まるのは、『横浜ランドマークタワー』やら『インターコンチネンタルホテル』などThe・横浜らしい景色。
ちょっと離れたところからの景色もなかなかいい。

同じ横浜市でも、あっち側すごいなあ………。
みなとみらいエリアへとつなぐ橋からの眺め。気持ちいい!

この橋を渡れば、たくさん人がいる横浜の中心地へと続く。

それを知っているのか、わずかではあるけれど散策風の格好でのんびり橋を歩いて渡る人たちを何人か見かけた。散歩ツウですなあ。

魚を見ながら横浜みやげに人気の「伝説のチーズケーキ」

さて最後の締めに向かったのは卸売市場に向かう時に目にとまり気になったケーキ屋さん!

『ガトーよこはま 本店』。チーズケーキ以外にもロールケーキやプリンなどが並ぶ洋菓子屋さん。

横浜3店舗に加え、羽田空港にも2店舗あるそうで、その人気っぷりがうかがえる。
おいしそうなスイーツがいろいろ並ぶ中、初めてなので王道の「よこはまチーズケーキ」をチョイスした。

デンマーク産の極上チーズと北海道産のフレッシュバター、厳選された卵を使っていると書いてある。そんなの旨いに決まってる。

全店舗回ろうかなと思うくらいのおいしさ! 酸味もありつつキャラメルのようにめちゃくちゃ濃厚でゆっくり味わいたくなる。タルト部分も好き。
神奈川駅、来てよかった~!

押しせまる横浜の高層ビルが途切れ、のんびりできる街

こんな感じで、今回の神奈川駅からの散歩は終了。

にぎやかな横浜駅の隣の神奈川駅は、神奈川宿の歴史が感じられる商店街や、海沿いに立つ卸売市場、チーズケーキがおいしいお店などがのんびり楽しめるところでした。

みなとみらい方面に遊びに行く前に散策すると、いろいろな横浜が見れてとてもいいのでは、と思いました。

灯台下暗しのとなり駅探訪、これからも続きます!

海が近いのでたまに魚が見えるのもおもしろかった。エイも見られるとのこと!

取材・文=小堺丸子

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