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膨張を続ける宇宙の未来図とは
宇宙が膨張していることが明らかになったのは、1920年代のことです。アメリカのカーネギー天文台の研究者、エドウィン・ハッブルは宇宙に存在する銀河が、地球から遠いものほどより大きな速度で遠ざかっていることを発見し、宇宙が膨張していることがわかったのです(ハッブル・ルメートルの法則)。しかし、その当時は宇宙の膨張は、ビッグバンの勢いで続いているのであって、いずれ膨張のスピードは落ち、やがて収縮していくのではないかと考えられていました。
ところが、1998年。驚くべき発見がありました。それは宇宙の膨張は遅くなるどころか、加速しているというものでした。遠方の銀河のなかにある超新星の明るさを観測したところ、60億年ほど前を境に、それ以前は理論的な予測値よりも明るく、それ以降は暗いことがわかったのです。
予測値よりも暗くなっているということは、星が遠ざかる速度が大きくなっている、すなわち、膨張が加速しているということになるのです。このように宇宙を膨張させるエネルギーを「ダークエネルギー」と呼んでいます。ビッグバンのきっかけとなったインフレーションで、宇宙を急膨張させた「真空のエネルギー」と同じものであると考えられています。
さまざまな観測結果から、ダークエネルギーは水素やヘリウムなどの通常の物質の約14倍、ダークマターの約2・5倍存在すると考えられていますが、多くのことはわかっていません。しかし、このダークエネルギーが膨張する宇宙の未来に関わっていることは間違いありません。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一
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「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!