特定のユーザーをターゲットに開発されたクルマは、刺さる人にはとことん刺さる不思議な魅力を持っていることが多い。そのためどのグレードも魅力的に見えてしまい、袋小路に迷い込んでしまったユーザーもいるはずだ。ここではそんな危険な薫りを漂わす、日産・キャラバンのベストな選び方をお教えしよう。
●文:川島茂夫/編集部
ワゴンはマイクロバス的な仕様なので、バンを選ぶのが鉄則
ライバルのハイエースと同様に、乗用のワゴンは、シート配列が2-2-3-3の4列10名乗りというマイクロバス的なクルマになってしまう。キャラバンを自分と趣味の道具を運ぶレジャーワゴンとして考えるならば、荷室のアレンジ性が高いバンを選ぶのがいい。
パワーユニットは、2Lガソリン(130PS/18.1kg・m)と2.5Lガソリン(147PS/21.7kg・m)、2.5Lディーゼルターボ(132PS/37.7kg・m)の3タイプのエンジンが用意されるが、1BOXの重い車両重量や燃費まで考えると、価格は高くなるがディーゼルターボ車が最もバランスがいい。駆動方式はアウトドアレジャーでの活用を考えると4WDがベスト。
バンの最上級グレード「GRAND プレミアムGX」が、キャラバン選びの一番手。エンジンはディーゼルターボが最もバランスが良い。
GRAND プレミアムGXには、LEDヘッドライト&フォグライトやオートエアコン、オートクロージャーなどの利便系装備が標準装着。シートもハーフレザータイプが採用されるなど、最上級グレードにふさわしい内容が盛り込まれる。安全装備もインテリジェント エマージェンシーブレーキやLDW(車線逸脱警報)などが標準装備される。
1BOXボディがもたらす広大な荷室スペースは、キャラバンを選ぶ大きな理由のひとつ。
オーテックのカスタマイズモデルもチェックするべし
となると、バンでありながら内装加飾も装備も充実している、最上級グレード「GRANDプレミアムGX」の4WD車(432万1900円)が第一の選択肢になるが、キャラバンはオーテックが架装したカスタマイズモデルが充実していることも魅力のひとつ。
特に魅力的なのが、オーテック・マルチベット。プレミアムGXをベースに、停車時にベンチシートとして使える簡易ベッドを装備するモデルで、車中泊や休憩時に快適に過ごせることが特徴。2Lガソリン車なら373万8900円~、2.5Lディーゼルターボ車の4WDでも440万6600円~と、価格もお値ごろで車中泊はもちろん、オートキャンプで使い倒したいと考えているユーザーにとっても最適な一台になっている。これをベースに純正やサードパーティの用品を組み合わせて、自分仕様のキャラバンに仕立てていくのがオススメだ。
オーテックが手掛けるカスタマイズモデル「マルチベット」は、車中泊を求めるユーザーを意識したグレード。荷室スペースに左右跳ね上げ式のベッドシステムとフロアパネルを装備することで、さまざまなアレンジを可能としている。
ブラックレザレットシートや本革巻きステアリング、ブラックドアトリムなどの専用加飾でインテリア全体をシックなイメージに染め上げている。
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