【ベランダ菜園】簡単! ミニトマト+バジル+シソの寄せ植えの作り方

家庭菜園をベランダで始めるなら、寄せ植えがおすすめ! 虫がつきにくくなったり、成長が促されたり、いいことずくめです。初心者でも失敗なく育てやすい“ミニトマト+バジル+シソ”の寄せ植えを、ガーデニングクリエイターのたなかやすこさんに伺いました。キュウリ、ピーマンなど寄せ植えバリエも紹介します。

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ミニトマト+バジル+シソ 基本の寄せ植えの方法

準備するもの

・横30×奥行き30×深さ30㎝のコンテナ
・鉢底石(ネットに入れて使用)
・支柱(長さ40㎝程度の仮支柱1本と、長さ180㎝前後の支柱4本)
・基本の土(下記)約25Lもしくは、有機培養土(ココヤシピートベースで元肥入りの園芸土)
・有機肥料(追肥用)
・もみ殻くん炭
・ミニトマト苗1株
・バジル苗1株
・シソ苗1株

配置

育て方のコツ

水やり:土の表面が乾いたら午前中にたっぷりと
置き場所:日当たりと風通しのいい場所。梅雨時は雨を避ける
肥料:植えつけ2カ月後くらいから少しずつ追肥を

植え方

①鉢底石と土を入れる

鉢底石を2㎝厚さに敷く。コンテナの8分目まで有機培養土を入れ水をかける。ココヤシベースの土は水を吸うと沈むため、おおよそ6分目ぐらいになる。

②苗を植える

ミニトマトの根の底に軽く指を入れて、外へ根を少し広げてから定植。そうすることで、根が土になじんで育ちやすくなる。バジルとシソも同様に。

③土をかぶせる

残りの土をかぶせる。コンテナの隅々まで土が入っているか確認しながら土をならしたら、鉢底から流れるくらいたっぷりと水をやる。

④支柱を立てる

植えたては苗が風で揺れやすい。仮の支柱を立てて苗を安定させると、根が張りやすくなる。支柱を立てたら麻ひもでミニトマトの苗を結ぶ。

茎が太くなることを想定して支柱と苗の間にゆとりをもたせ、麻ひもをゆるめに2〜3回ねじって支柱と苗を結びつける。

POINT 基本の土

保水力と通気性が高く、軽いココヤシピート100%の土をベースに、市販の「もみ殻くん炭」を1割ほど加える。ここに元肥として有機肥料を規定量より少なめに入れて。「肥料のおすすめはミミズの糞堆肥。市販されています」

POINT 追肥

肥料はやればやるだけよいと思われがちだが、そうでもない。「基本の土の元肥は必要ですが、追肥をしすぎると土中の養分が偏り、微生物が減ってひ弱に育ちます。肥料よりたっぷりの水と光合成で、健康的に育てましょう」

互いに助け合って育ち、晩秋まで収穫が可能

ミニトマト

【生長に合わせわき芽を取る】
ミニトマトは葉のつけ根にわき芽が出てくるので、指で折ってまめに取り、養分を集中させる。

【実が真っ赤に熟したら収穫】
ミニトマトは、最初に咲いた花(一番花)から約50日で実が赤くなる。「茎が生長してきたら四隅に支柱を立てるか、あんどん仕立ての支柱(朝顔を育てるときに立てる支柱)に替えて、茎をら旋状に巻きつけて。赤く熟した実から収穫します」

バジル

【バジルは摘芯した葉や花もおいしい】
土中の栄養バランスを整え、病害虫も遠ざけてくれるバジル。「バジルは1本立ちで生長しやすいので、わき芽を伸ばし横にこんもり広げて育てます。20㎝くらいまで生長したら先端の葉を摘み取る摘芯を。これでわき芽が伸びて、たくさんの葉を収穫できるようになります。ちなみに摘芯した若葉や花もおいしいですよ」

シソ

【シソも摘芯でやわらかな葉に育つ】
バジルと同じシソ科。葉を収穫するシソとバジル、実を収穫するミニトマトの組み合わせで土の中のバランスが整い、互いの香りで病害虫を防ぎます。バジルと同様に摘芯を。「摘芯することで枝数が増えやわらかな葉に。花が咲くと葉がかたくなるので、蕾のうちに摘むと葉ジソを長く楽しめます。花の蕾は穂ジソとしておいしくいただけますよ」

寄せ植えバリエーション

キュウリ+ニラ+ペチュニア+クフェア

【キュウリには病気に強いニラと可憐な花を合わせて】
「水分量が多いキュウリは、カビ菌による“うどんこ病”や“べと病”にかかりやすいのです。抗菌力のあるニラと寄せ植えにすることで病気になりにくくなります」シーズンが終わったら多年草のクフェアとニラはそのまま残します。キュウリは茎の部分を少し残してカット。1カ月後、根が分解されて楽に抜けます。土中環境をキープしたまま次の寄せ植えに。

配置例

横90㎝×深さ30㎝の長方形コンテナの場合

育て方のコツ

水やり:土の表面が乾いたら午前中、葉がぐったりしたら夕方にも
置き場所:日当たりと風通しのいい場所
肥料:実の曲がりが強いのは肥料不足のサイン。少しずつ追肥を

ピーマン+タイム

【すくすく育つピーマンとタイムは、初心者にぴったり!】
ナス科の中でも特に育てやすいのがピーマン。「一番花を起点として2本から3本に枝分かれするので、花より下のわき芽はすべて摘み取って2〜3本仕立てにします。寄せ植えにはほふく性のクリーピングタイムがおすすめ。ピーマンは収穫後に茎だけ残すと1カ月後には軽く抜け、越冬させるタイムの根を傷めません。タイムは翌年違う野菜と寄せ植えに」

配置例

直径36㎝×深さ25㎝ほどの円形コンテナの場合

育て方のコツ

水やり:表面の土が乾いたら午前中にたっぷりと
置き場所:日当たりと風通しのいい場所
肥料:植えつけ2カ月後くらいから少しずつ追肥を

小ナス+タイム

【乾燥を防ぐタイムで小ナスの土表面をカバー】
「ナスは肥料と水がたっぷり必要な野菜です。保水力に限りがあるコンテナの場合、小ナスがおすすめ。一番花のすぐ下に出たわき芽を2本残し、それ以外のわき芽は摘み取って枝3本に養分を集中させます」。多年性のタイムは大きく育つが、枝が密集しすぎると風通しが悪くなるので、梅雨の前に密集部分の枝を剪定して。

配置例

直径36㎝×深さ25㎝ほどの円形コンテナの場合

育て方のコツ

水やり:表面の土が乾いたら午前中、葉がぐったりしたら夕方にも
置き場所:日当たりのいい場所
肥料:実がついたら必要に応じて追肥を

黄色い雄しべの中心から雌しべが出ていれば、養分が足りているサイン。

インゲン+カリブラコア

【次々収穫できるインゲンは花が生長をアシスト】
「つるなしインゲンはタネから育ててみましょう。土に深さ1㎝くらいの穴をあけ、3粒ずつ点まきを。土をかけ発芽したら元気な2本を残し1本は間引きます。草丈40㎝ほどに生長したら、U型支柱などで株元を支えて。カリブラコアが虫から守り生長を助けます」。インゲンが終わったら、カリブラコアと秋冬に育つ野菜を寄せ植えにしても。

配置例

横65㎝×深さ30㎝の長方形コンテナの場合

育て方のコツ

水やり:表面の土が乾いたら午前中にたっぷりと
置き場所:日当たりと風通しのいい場所
肥料:植えつけ2カ月後くらいから少しずつ追肥を

PROFILE
たなかやすこさん●イラストレーター、ガーデニングクリエイター
時計メーカー勤務を経て、イラストレーターに。同時に野菜作りを始める。コンテナをメインとした家庭菜園歴30年の実績を生かし、ガーデニングクリエイターとして市民講座やワークショップを開催。雑誌やテレビなどでもベランダ菜園の方法を伝授。著書に『ベランダ寄せ植え菜園』(誠文堂新光社)など。

※この記事は「ゆうゆう」2023年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

※2023年5月3日に配信した記事を再編集しています。


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